【インタビュー】一級建築士とつくる理想の暮らし。風が通り抜ける無垢材の家

約67㎡の空間に、ふんだんに使われた無垢材、広々としたリビング、大型家具をほとんど必要としない充実の壁面収納。10年先も快適な生活を送るための「理想の家」を、一級建築士と共に実現しました。

「リフォーム不動産 深川studio」で深川エリアに物件を購入・リノベーションされた方の連載インタビュー。今回お話をうかがったのは、中古物件のリノベーションを依頼したKさんご夫婦。リフォーム不動産の紹介で一級建築士に設計を依頼、2LDKの中古マンションをフルリノベーションしました。

「リノベーションで大切なのはコミュニケーション」と語るKさん。理想の家をつくるにあたり、どんな点を重視されたのでしょうか? Kさんのお住まいで、リフォーム不動産を選んだ理由や、一級建築士に設計を依頼する際のポイントなど、詳しくお話をうかがいます。

リノベーション後も想定した地元密着の不動産屋選び

−− 以前は、どちらにお住まいだったんですか?

長い間、仕事の関係で福島県の戸建てに住んでいましたが、東日本大震災をきっかけに江東区潮見の賃貸マンションへ引っ越しました。潮見の家は仮住まいで、子どもも独立していましたし「次に住む家は、夫婦ふたりで長く暮らせる場所にしたい」と常々考えていました。

−− おふたりは、木場公園の近くに物件を購入された後にリフォーム不動産へ訪れたと伺いました。

去年の9月頃にこの物件を購入したので、ちょうどその後、10月頃にリフォーム不動産へ訪問しました。潮見に引っ越してきた頃から、新しい家を探し続けていたんですが、なかなかピンとくる物件に出会えず。

最終的に、将来の両親のケアを考えて行き着いたのが、両親が住んでいるこのマンションだったんです。私たちの前にこの部屋に住んでいらっしゃった方に、私(奥様)の母が声をかけたことがきっかけで、運良く物件購入に至りました。

築38年の物件で、部屋のメンテナンスもされていなかったので、正直「このままでは住めないな」というのが第一印象。リノベーションを依頼する会社も、並行して探し始めました。

−− では、リフォーム不動産を選んだ理由は?

小さい頃から深川エリアに暮らしていたので、地域に愛着がありました。リノベーション後の長いお付き合いも視野に入れて、できれば地域のリフォーム会社に依頼したい気持ちがあったんです。リフォーム会社をネットで調べると、リノベーションを請け負ってくれる会社にも規模や方針など、様々なタイプがあることを知りました。その中のひとつにあったのがリフォーム不動産です。近所にあることがわかったので、地図を検索して、私ひとりですぐに伺いました。

−− 担当者の第一印象は?

担当の柴田さんの人柄に触れて、まずは安心しました。不動産屋やリフォーム会社の営業によくあるガツガツと来られるタイプではなくて、私たちの考えにしっかり寄り添って話を聞いてくださって。

何よりも、お客様の事例をお話しされる様子が楽しそうだったんですよ。深川への愛着が伝わってきて、出会いを大切にされているんだなぁと。地元出身の私としては、とても嬉しくなりました。

じつはリフォーム不動産へ訪れたとき、もうひとつのリフォーム会社とどちらに依頼しようか迷っていたんです。でも柴田さんとお話しして、リフォーム不動産へお願いしようと心に決めました。

−− リフォーム不動産では、どのような相談をされたんですか?

リノベーションに関して自分で調べて考えたことをもとに、理想を伝えました。私の話を聞いてくださった上で、柴田さんから「一級建築士と話してみませんか?」と提案いただいたんです。「思い入れがあるなら、建築士と一緒に考えていったほうがよいのでは」と。

この時、柴田さんに「こだわりはありますか?」と聞かれたんですが「ありません」と答えたんです。後々プランを進めていくうちに、いくつもこだわりがあることに気づいて反省しましたね(笑)。

一級建築士とプランニングする理想の家

−− 建築士へ依頼するにあたって不安は?

建築士にもそれぞれ得意な家づくりの方向性があるから「考え方が合わなかったらどうしよう」とか、私たちよりも若い方だったので「感覚が違うかも?」なんて不安がありました。とはいえ、自力で理想の家を叶えてくれる人をみつけだすのはなかなか大変なので、まずはお話をしてみようと。

柴田さんのご紹介で、深川エリアで活躍されている一級建築士の鎌松さんと打ち合わせをして、その後すぐに彼がいくつかプランを考えてくださったんです。私たちの思いを汲んだアイデアを提案してくださったので「これならぜひお願いしたいな」と安心したのを覚えています。最終的にはプランAからEまでたくさん考えていただいて。最後まで悩んで、もう葛藤だらけだったんですけど、なんとか竣工まで辿り着きました(笑)。

初期の頃のご提案図面の一部

大手のリフォーム会社にお願いしていたら、既存のデザインを組み合わせた設計になっていたかもしれません。その点、鎌松さんは細かいところひとつにしても、私たちの意図を反映したデザインを提案してくださって、大変満足しています。

−− リノベーションでこだわった部分を教えてください。

家の中でふたりで過ごす時間が長いので、明るくて広いリビングを希望しました。それに加えて各々の部屋と、物が多いので備え付けの収納もリクエストしました。

鎌松さんが、部屋のあちこちに分散するよう収納をつくってくれたので、圧迫感がかなり軽減されたと思います。パントリーの棚は奥行きを浅めにすることで物の迷子を防げていますし、キッチンの戸棚や和室の押し入れは引き戸付きで目隠しができますし、細部まで普段使いしやすいつくりになっているのも、お気に入りです。

それからコンパクトな空間ですが、玄関に通じる廊下からリビング、キッチン、洗面所がぐるりと繋がっているので、家の中を移動しやすいんです。梅雨明け前までエアコンをいれなくても平気なくらい風がよく通るので助かっています。

キッチン奥のパントリーと洗面所、廊下がつながっている。家の中をぐるりと一周できる導線設計で風の通りも抜群

−− 奥様の部屋は和室なんですね。

大きな家具の処分の大変さを知っていたので、ベッドではなく布団を敷くための和室を希望しました。できれば小上がりにも収納を付けたかったんですけど、予算の関係もあって断念。それでも押入れの収納があるので、片付けはかなりスムーズです。

押入れ下の壁のタイルも、期限ギリギリまで悩み選んだ

−− 「建築士にお願いしてよかった! 」と思う点があれば教えてください。

たくさんあるんですけど、中でも見えないところや私たちが気づかない細かな部分のケアがありがたかったです。

例えば、断熱材。リノベーション前、西側の壁は外気に接するのでカビだらけで……。私たちの家は角部屋で、3面が外気に触れやすく結露しやすい上に、部屋の下が駐車場なので、4面が外気にふれる構造だったんです。

湿気や外気の影響は、さすがに免れるのが難しいかなと思っていたところ、鎌松さんの提案で、壁と床に断熱材を入れることになったんです。結果、梅雨時期でも快適に過ごせましたし、先々の生活を考えても提案いただいて本当によかったと実感しています。

結露対策でベランダの窓も二重サッシに。床の高さを断熱材で約20cm上げた分、天井の高さも上げることで、空間の広さを確保

他にも、障子を使った採光だったり、広々とした空間の印象を損なわない天井高の引き戸だったり。リノベーションは目に見える部分のデザインだけでなく、生活して初めてわかる機能も重要なので、その点を鎌松さんがいくつも提案してくださって非常に助かりました。

トイレの水回りなど細かな部分も設計士の提案で使いやすく

−− リノベーションで大変だった点があれば教えてください。

やはり予算と理想のギャップでしょうか。最初に自分で調べたとき、7〜800万円程度で理想のリノベーションを実現できると漠然とイメージしていたんです。実際は、ひとつひとつの部材にこだわると、意外と高額になってしまったり、造作もあったりしたので、想定以上の費用がかかりました。他にも断熱材など目に見えない部分の出費があったので、理想と現実に、費用に関しては差がありましたね。

初めてのリノベーション、コミュニケーションを重ねて「安心感」を

−− 深川エリアでの暮らしは、いかがですか?

福島や潮見で暮らしてみて、初めて深川エリアのよさに気づきました。子どもの頃から変わらない、祭の季節の街の活気だったり、どことなく漂う下町っぽさだったり。夫は初めて深川に暮らしているんですが、砂町や門前仲町の商店街のにぎやかさに下町を感じているようです。長年、初詣は家族で富岡八幡宮へお参りしていたので、息子たちも「富岡八幡宮で初詣しないと年が明けた気がしない!」なんて、深川エリアに愛着を感じているみたい。


写真:門前仲町・辰巳新道

あとは今のお部屋からも見える木場公園。私が小さいときには、まだ木場公園はなくて、材木屋の並ぶ地区だったんですよ。息子が生まれた頃にできたんですが、その頃はまだ植栽の木もみんな若かったので、公園の木々の成長を日々見られるのも、最近の楽しみです。


写真:都立木場公園

−− 近所でよく行かれるお店は?

この家は深川エリアの中でも端っこの方に位置するので、近所にたくさんお店があるわけではないんですが、門前仲町方面へ散歩することが多いですね。深川不動尊の近くの和菓子屋・伊勢屋で、お団子を買うこともあります。清澄白河・門前仲町周辺特集の雑誌を買ったので、コロナが落ち着いたらいろいろ巡ってみたいです。

それにしても、このあたりはだいぶお店が増えて、昔とはがらりと印象が変わりましたよね。「日本中の注目を集めるようなコーヒーショップが平野に? 」みたいな驚きもありました(笑)。ブルーボトルコーヒーに限らず、昔材木屋だった場所をうまく利用するような動きがあって、今後も新しいお店の誕生が楽しみです。

−− これから物件を購入される方、リノベーションされる方へのアドバイスをお願いします。

3つあります。ひとつめは、中古マンションの場合「綿密にイメージしていても、いざ工事が始まってみたら実際は違った! 」なんてことがあるので、心の準備をしておきましょう。その点、相談相手として設計士がいたことはとても安心できました。「内装を壊してみて、初めて分かることがあるかも」と事前に教えてくださったので、「万が一」に対する覚悟できましたね。築年数の経過している物件だと、特に水回りの配管をチェックしておくと、安心かもしれません。

ふたつめは、こまめに現場に足を運んでみること。リノベーションの打ち合わせ直後は安心しますが、少し時間が経つと不安になりがちなので、工事中もちょこちょこ現場を見に行くのがおすすめです。

工事の経過を見ると「あ、これ伝えたほうがいいな」と思う部分をみつけたり「今なら間に合うかな? 」と即座にアイデアを提案したりすることもできます。例えば、コンセントの位置は図面上でも一生懸命想像したんですけど、実際に現場ができてくると、動きながら距離感をつかめるので「こっちにあったほうが便利かも」と思うことがあったんです。

最後は、設計士と言葉をたくさん交わすこと。不安になったらすぐに疑問を伝えて答えをもらうなど、密にコミュニケーションするよう心がけました。最初は「専門家だから口出ししちゃいけないかな? 」なんて思っていましたけど、何回も意見を交わすことで、確実に安心感に変わっていったので、尻込みせず質問をぶつけてみましょう。全てを伝えた上で、技術や予算の折り合いをつけていけば、結果として一番理想に近い家ができると思うんです。

ベランダで育てているキュウリとゴーヤが立派なグリーンカーテンに

−− 最後に、今後リフォーム不動産に期待されることは?

このあたりは高齢の方も多いですし古い物件も多くあります。一気に住んでいる世代や物件が変革する時期が遠からずくるでしょうから、そのときに、若い人たちの理想的な物件探しとリノベーションをサポートして、街の活気づくりを牽引してくださるとうれしいです。

あとがき

取材を終えた後、Kさんがベランダのから立派なキュウリとゴーヤを摘み採って「お土産に」とくださいました。コロナ禍で人と人とのふれあいが激減する中、久しぶりに触れた「深川の人情」。風通しがよく温もり溢れるお部屋は、Kさんご夫婦のお人柄そのものだったんだなと、心が温まりました。

帰路の木場公園、青々と成長する木々を見上げながら、10年先、20年先の深川に思いを馳せました。激しい変化の中でも「深川の人情」は変わらずに、これからもこの土地に住む人と人をつなぐ灯火であってほしいと思うばかりです。

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取材・著・写真・イラスト
鳩白方はるか(鳩)
フリーランスの編集・ライター。清澄白河で猫とともに暮らしている。あだ名は「鳩」 好きな食べ物はカツオのたたき
https://note.com/tyorehato

ライターの鳩さんが、清澄白河で中古マンション購入からリノベーション、実際に暮らすまでを綴った「リアル体験記」は、以下のリンクからご覧ください。
◆ リアル体験記【中古マンション購入編】
◆ リアル体験記【リノベーション編】

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