「新築」と「中古マンションを買ってリノベーション」を比較!どっちがお得?

マンション購入を検討している方の中には、新築・中古のどちらを購入すべきか迷っている方も多いことと思います。

昨今の都心の新築マンション価格は高騰・高止まりが続いていることに加えて、物件数も減少傾向にあり、選択の幅が小さい状況となっています。

そのため、価格面での優位性、選択の幅の大きさ、好立地などを期待して中古マンション(+リノベーション)を並行検討する人が増えています。

そこで今回は、新築・中古のマンションを並行検討する際、知っておきたいポイントとして、価格相場の比較と、それぞれのメリット・デメリット比較をしてみたいと思います。

【1】昨今の新築マンション事情

中古物件に対するイメージはここ数年でずいぶん変化してきましたが、それでもやはりマンションを買うのであれば、新築が良いという方もいらっしゃいます。

ただし、ここ数年はマンション建設の建材費用や人件費といったコストが上昇し、マンション価格は高騰、高止まりを続けている状況にあります。

都心の新築マンションは、もはや一般的なサラリーマンの年収で購入できる価格ではなくなっているため、割高感を少しでも軽減するために、一戸あたりの専有面積を小さくしたり、目に見えにくい部分でコストダウンを図っていたりといったケースも少なくありません。

また昨今における都内の好立地の仕入れは、マンションだけでなく、商業施設やホテルとの争奪戦が繰り広げられてきた関係で、好立地の新築分譲マンション供給は、以前に比べて減少傾向にあります。

こういった背景から、より条件を広げて希望の物件探しができるという理由で、新築マンションだけではなく、中古マンション(+リノベーション)を並行検討する方の割合が増加しているのです。

【2】新築・中古マンションの価格相場比較

では早速、新築マンションと中古マンション+リノベーションの価格相場を比較してみたいと思います。

■新築マンションの平均価格(東京23区)
→11,483万円(平均面積66.49㎡)対前年比価格39.4%上昇
※引用:(株)不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向2023年」

■中古マンションの平均成約価格(東京23区)
→6,126万円(平均面積57.95㎡、平均築年数22.17年)対前年比価格7.0%上昇
※引用:(公財)東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」

■リノベーションの相場
900〜1300万円(税込)程度
※工事内容や依頼する会社の規模によっても変わりますが、マンションのスケルトンリノベーション(約60㎡)であれば、上記の金額感となります。

㎡単価から物件価格・リノベ費用面で比較すると、仮に中古のリノベーション費用を1,200万円としても、中古マンション+リノベであれば8,200万円強となり、新築マンションと比較すると約3,300万円程の差が出ることになります。

【3】新築・中古マンションリノベーションのメリット/デメリット比較

では次に、新築マンションと中古マンション+リノベーションのメリット・デメリットを総合的に比較してみましょう。

■新築マンションのメリット
・専有部/共用部のいずれも清潔感があり、最新設備が整っている
・建物/設備の損耗がなく、耐用年数が長いため、修繕費用が少ない
・住宅ローンの審査が通りやすく、金利や借入期間も優遇される
・税金面でも優遇措置がある

■新築マンションのデメリット
・物件数が少ないことに加えて、販売経費を転嫁されるため、割高感がある
・完成前の場合、図面やモデルルームの情報で購入を判断しなければならない
・竣工前の場合、どのような人が隣人になるかわからない
・人気の部屋は抽選になることが多い

■中古マンション+リノベーションのメリット
・同じ条件であれば、新築マンションよりも価格を抑えることができる
・物件数が多いため、幅広い選択肢の中から選ぶことができる
・隣人やマンション全体のコミュニティを把握しやすい(実際の物件を見ることができる)
・条件はあるものの、専有部分を自由に設計することができる

■中古マンション+リノベーションのデメリット
・窓や玄関ドア・共用部分などのリノベーションができない場所がある
・物件探し+工事内容のすり合わせなど、手間がかかる
・住宅ローンに加えて、リフォームローンの利用が必要となるケースが多い
・購入の際は原則先着順の為、決断までのスピードが求められる

【4】まとめ

ポイントをまとめると、費用面では中古マンション+リノベーションに優位性があるものの、共用部分(サッシ、玄関ドアなど)の改修ができない、手間がかかるといったデメリットもあることがお分かりいただけたかと思います。

ただし、こういったデメリットについても、比較的築浅で管理状態の良好な物件を選ぶといった方法で回避することもできます。

重要なのは、住まい・不動産・リフォームのプロをアドバイザーとし、さまざまな提案を受け、幅広い選択肢の中から最適な選択を行い、納得感を持って住まい探しを行っていくことです。

当社では、物件選びはもちろんのこと、リノベーション工事や融資などについてもお客さま目線で最適なアドバイスをさせていただきます。セミナー・相談会なども随時開催しておりますので、お気軽にご参加ください。

※(2024.2.25 一部加筆修正)

<当社セミナーのご紹介>

【リノベーション相談会】買って自分好みにリノベーションしたい!後悔しないために絶対知ってほしいこと

【初めての住宅購入相談会】損しないために!物件を見る前に絶対知っておくべきこと

【書いた人】柴田 光治

株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio 代表|深川くらし相談所 所長

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
一般社団法人不動産エージェント協会 既存住宅流通活性化副委員長
不動産業界歴35年以上。一部上場不動産会社在籍中に執行役員として売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。
50代で今の会社を立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。自らも新築後20年の自宅マンションをリノベーションした経験を持つ。

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