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コラム

リノベーション費用、3年前の感覚では足りない。コスト高騰の現実と、それでも中古+リノベを選ぶ理由



「リノベ費用、3年前の感覚で見積もると、驚かれることが増えました。」

これは、私が最近お客様によくお伝えしている言葉です。「中古を買ってリノベーション」を考えている方の多くが、数年前の情報をもとに予算を組んでいます。でも現実は、静かに、しかし確実に変わっています。

現場の感覚では、3年前に1,000万円でできたリノベーションが、今は1,300〜1,500万円になっています。東京・首都圏では70㎡のフルリノベーションで1,250〜1,500万円が現在の相場です(2026年実績)。

「それなら新築の方がいいのでは?」という声も聞こえてきます。でもその新築も、同じように価格が上がっています。江東区では好立地の新築マンションが1億円を超えるケースが当たり前になりつつあります。

では、どう考えればいいか。今回は、リノベーションコスト高騰の現実を正直にお伝えした上で、それでも「中古+リノベ」が多くの方にとって合理的な選択であり続ける理由を、プロの視点から解説します。

現場で何が起きているか。「3年前の感覚」が通用しなくなっている

お客様から「500万円くらいでキッチンと浴室とフローリングを一新したい」というご相談をいただくことがあります。数年前なら、現実的な予算でした。でも今は、同じ仕様で700〜900万円になるケースが出てきています。

「なぜそんなに上がるの?」という疑問はもっともです。ここ3〜4年の上がり方は、かつてない速度だと感じています。リーマンショックも、東日本大震災も、コロナも経験してきましたが、こうした形でのコスト上昇は初めての体験に近い。

3〜5年前の
感覚では足りない

資材・人件費・需要過熱が
同時進行。上昇は
構造的で継続中
著者・柴田光治の現場感覚

14年連続

公共工事設計
労務単価の上昇
(2011年→2025年)
国土交通省
公共工事設計労務単価

+29%

建設資材物価指数の上昇
2021年1月〜
2023年12月
日本建設業連合会
2024年1月発表

2026年度〜

夏季休工制度
全国展開。工期延長が
コスト増に直結
国土交通省
猛暑対策サポートパッケージ
2025年12月策定

この上昇は、公的な統計でも裏付けられています。国土交通省が毎年公表する公共工事設計労務単価は2011年から14年連続で上昇。日本建設業連合会によれば、建設資材物価指数は2021年から2023年の2年間だけで29%上昇しました。ただし、こうした統計は集計から公表まで時間がかかります。現場の実感は、常に統計の数字を上回って動いています。

「以前の見積もり金額の感覚」が今の現場では通用しない。その背景にある構造的な要因を、次のセクションで整理します。

✏️ 著者の所感

これまで「コストが上がる局面」は何度か経験してきました。でも今回は少し違う。バブルの時は景気過熱による一時的な高騰でした。今は資材も、人件費も、制度も、複数の要因が同時に動いている構造的な変化です。「もう少し待てば落ち着くかもしれない」という期待が、必ずしも正解にならない可能性がある。それが今の現場の実感です。

なぜ上がっているのか。3つの要因が同時に重なっている

理由は大きく3つあります。資材費(円安・エネルギー高で輸入資材が値上がり。2021〜2023年で建設資材物価指数は29%上昇)、労務費(2024年問題による工期延長と職人の高齢化。公共工事設計労務単価は14年連続上昇)、そして猛暑対策(2025年6月の熱中症対策義務化に続き、2026年度からは夏季休工制度が全国展開され、夏場の工期がさらに延びます)。

加えて、再開発やデータセンター建設など大型工事が全国で同時進行しており、一般のリノベーション工事は職人確保の優先順位で後回しになりがちです。深川・清澄白河エリアでも有楽町線延伸関連の工事が動き始めており、この傾向は当面続くと見ています。

💡 共通すること:どれも短期では解消しない

円安は一朝一夕には変わらない。職人の高齢化は10年単位の問題。気候変動による猛暑対策は今後も強化される方向です。「もう少し待てば安くなる」という期待は、必ずしも正解にならない時代に入っています。

✏️ 著者の所感

「待つ」という判断には二つのコストがあります。一つはリノベーション費用が下がらない(むしろ上がる)リスク。もう一つはその間の賃料負担と、好物件を逃す機会損失です。今の市場では、管理の良い中古マンションは出れば売れる。待つことにもコストがあることを、忘れてほしくないと思っています。

コスト高騰時代の正しい予算の立て方。「全部やる」より「優先順位をつける」

「費用が上がっているなら、リノベーションはやめた方がいいのか」——そうは思いません。費用が上がった分、「何にお金をかけるか」の選択がより重要になったということです。

リノベーションの醍醐味は「自分仕様にできること」です。でも全部やろうとすると、予算はいくらあっても足りなくなります。今の時代に大切なのは、「自分のライフスタイルで最も重要な場所に集中投資する」という発想です。

💡 優先順位のつけ方
「どこにお金をかけるか」を先に決める
🍳 キッチン重視の人
料理が好き・家族の食事を大切にしたいなら、キッチンに予算を集中。浴室・トイレは機能的に整えれば十分。
🛁 バスルーム重視の人
毎日の入浴が癒しなら、浴室に投資。広いバスタブ、照明、換気——ここが充実するだけで暮らしの満足度が変わる。
🏠 間取り・空間重視の人
LDKを広くしたい、書斎が欲しいなど間取り変更が目的なら、構造確認を先に。設備は後から変えられるが、躯体は変えられない。
💡 「今できること」と「後でできること」を分ける発想も有効です。配管・電気・断熱など見えない部分は将来変更が難しいので先行投資。設備や内装は後から交換できるので、当初は機能優先でOK。スケルトンリノベで「すべての可能性を一度リセットする」か、部分リノベで「使えるものを活かしながら必要なところだけ変える」かも、予算に応じて判断すべきポイントです。

3年前の感覚値はリセットする。まず現在の相場を確認することが出発点です。
物件価格とリノベ費用はセットで判断する。トータルコストで考えないと本末転倒になります。
信頼できる施工会社と早めにつながる。職人の空き枠が減っている今、最安値探しより早めの相談の方が結果的に得です。
📌 物件を探す前に、リノベの概算を掴んでおく

「物件探しと同時にリノベの概算を掴む」ことが重要です。私たちトラストリーでは、物件探しの段階からリノベーションの概算費用も含めてご提案しています。

それでも「中古+リノベ」を選ぶ理由。新築との比較で見えてくること

「リノベ費用が上がっているなら、新築を買う方がいいのでは?」という考え方は自然です。でも、同じ目線で見ておきたいことがあります。新築マンションの価格も、同じ建設コスト高騰の影響を直撃しています。

江東区では好立地の新築マンションが1億円を超えるケースが増えています。一方で所有権の中古マンションは、高騰しているとはいえ依然として新築より安い水準で手に入ります。

🏠 新築 vs 中古+リノベ。コスト高騰後の現実比較
江東区・70㎡想定。江東区中古マンション平米単価111万円(2025年11月、マンションナビ調べ)をもとにトラストリー作成。
🏢 所有権新築
マンション
🔧 所有権中古
+リノベーション
物件価格 1億1,000万円〜
江東区好立地・70㎡想定
7,500万円
(江東区中古70㎡・管理良好)
リノベーション費用 なし
(デベロッパー仕様のまま)
1,250〜1,500万円
(2026年首都圏70㎡フルリノベ実績相場)
取得コスト合計 1億1,000万円〜 8,750〜9,000万円
★1,500〜2,250万円安い
空間の自分仕様度 デベロッパー仕様
基本的に変更不可
フルカスタム可能
間取り・設備・素材すべて自分仕様
将来の資産性 高い
新築プレミアムあり
管理次第で維持・向上も
取得コストが安い分、売却益が出やすい
立地の選択肢 供給次第
大手が開発する場所のみ
希望エリアから選べる
深川・清澄白河の好物件も対象
※ 上記は一般的な傾向の整理であり、個別物件によって大きく異なります。
💡 リノベ費用が上がっても、新築との差は縮まっていない

リノベーション費用が上がっている。でも新築マンションの価格も同じだけ上がっています。つまり、「中古+リノベ vs 新築」という比較の構図は変わっていません。

リノベ費用が上がったことで「中古+リノベの旨味が薄れた」と感じる方もいますが、比較対象の新築はさらに高くなっています。コスト高騰の時代でも、中古+リノベの合理性は変わっていません。

そして、もう一つ大切なことがあります。リノベーションには「自分仕様にできる自由」があります。新築のモデルルームがどれだけ洗練されていても、それは「デベロッパーが大多数に向けて作った空間」です。リノベーションは、あなたの生活スタイルに合わせた、世界にひとつの空間を作れます。

費用が上がった今だからこそ、「何のためにリノベーションするのか」という目的を明確にする。その答えがあれば、コストが上がっても合理的な選択であり続けます。

✨ でも、最後に一番大切なことを
リノベ後の「気持ちよさ」は、数字では表せない

お金の話、コストの話を散々してきましたが、最後に一番大切なことをお伝えします。

リノベーションが完成した後にお客様の顔を見ると、みなさん同じ表情をされます。「自分の家に帰ってきた感じがする」とおっしゃる方もいます。あの瞬間が、この仕事を続けてきた理由のひとつです。

🌅
朝の目覚めが変わる
光の入り方、壁の色、床の質感。「今日も気持ちいい部屋だな」という感覚は、毎朝のモチベーションになります。家がパワーをくれる場所に変わるのです。
🧘
毎日のストレスが軽減される
使いにくいキッチン、狭い洗面所、暗いリビング——それらが解消されると、積み重なっていた日常の小さなストレスが消えます。快適さはメンタルにも直結します。
🧹
断捨離のきっかけになる
リノベーションで一度すべてを空にすることで、本当に必要なものが見えてくる。「新しい家に持っていくものだけ」という視点で整理すると、暮らしが驚くほどすっきりします。
🏠
家が「好きな場所」になる
自分が選んだ素材、自分が決めた間取り。「この家は自分で作った」という感覚は、家への愛着をまったく別次元に変えます。帰宅が楽しみになる。それは人生の質そのものです。
✏️ 著者の所感

コストやリスクの話ばかりしてきましたが、リノベーションはお金もパワーも必要な大仕事です。でも、やり終えた後の気持ちよさは格別です。それは数字に換算できない。「この家でこれからを生きていく」という気持ちの充実は、どんな投資対効果の計算も上回ります。費用が上がっても、その価値は変わらない。むしろ「自分でここまでやった」という達成感が加わる分、喜びは大きいかもしれません。

深川・清澄白河というエリアが教えてくれること

清澄白河を歩くと、古い倉庫がカフェになり、昭和の長屋がセレクトショップになっている光景が当たり前になりました。建物を住み継ぎ、使い継いでいく文化が、この街では誰よりも早く根付いています。

その背景にあるのは、「新しいものを作る」より「あるものを活かす」という発想です。コスト高騰の時代に、この発想はより合理的になっています。すでにある建物の躯体を活かしながら、自分の暮らしに合わせて内側を変えていく。それがリノベーションの本質です。

費用が上がっても、この街の中古マンションにリノベーションをして住むという選択は、価格だけでなく、この街のカルチャーと生きることでもあります。


費用が上がっても、あるものを活かす。その発想こそが、この街の文化であり、リノベーションの本質だと思っています。
✏️ 著者の所感

リノベーション費用が上がったことで、「諦める」という判断をしてしまう方がいると、正直もったいないと思います。費用は上がった。でも目的は変わっていない。「この街に、自分の空間で住みたい」という気持ちがある限り、リノベーションは合理的な選択であり続けます。

大切なのは「予算内で何ができるか」を一緒に考えること。物件探しからリノベーション計画・施工管理まで一気通貫でサポートできる私たちだからこそ、「トータルで無理のない選択肢」を一緒に見つけることができます。

私たちだからできること。物件探しからリノベまで一気通貫で

コスト高騰の時代にこそ、「物件価格」と「リノベ費用」をバラバラに考えるのではなく、トータルで判断できる専門家が必要です。でも実際には、不動産の相談はできても、リノベーションまで気軽に相談できる会社は意外と少ないのが現実です。私たちトラストリーは、売買・リノベーション・管理を一気通貫でサポートできる体制を整えています。

STRENGTH 01
不動産とリノベ、
ひとつの窓口で完結

物件探しとリノベーション相談は、別々の会社に頼むのが一般的です。私たちは物件を探す段階から、リノベーションの概算費用も含めてご提案します。「この物件はリノベの手がかかる・かからない」という現場目線のアドバイスが、物件選びの精度を上げます。

STRENGTH 02
現場を知る施工管理で
コストと品質をコントロール

「何をやるか・やらないか」の優先順位を一緒に決め、予算内で最大の効果を出す計画を立てます。職人確保の状況も含めて、現実的なスケジュールと費用でリノベを進めます。

STRENGTH 03
代表自身の40年の現場経験を
活かした地元密着のサポート

このエリアの物件を知り尽くした目線で、「管理が良い物件・リノベ向きの物件」を選別します。表に出にくい物件情報も含めて、ご相談ください。

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「物件は見つかったのに、いざ決断できない」という方へ。判断の壁の乗り越え方を解説しています。

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物件価格+リノベ費用のトータル試算・物件選びのアドバイス・
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FAQ

よくあるご質問
Q. リノベーション費用はここ数年でどのくらい上がっていますか?
A. 現場の感覚では3年前比で約1.5倍が現実になっています(野村不動産ソリューションズ2024年12月アンケートでは、住宅工事費の現場水準が3年前比149.5)。東京の建築工事費単価も2023年比で27.4%上昇しています。「1,000万円のリノベが今は1,400〜1,500万円」という感覚で予算を立て直すことをお勧めします。
Q. なぜリノベーション費用が高騰しているのですか?
A. 主な要因は3つです。①資材価格の高騰(円安・エネルギー価格上昇・輸送コスト増)、②労務費の上昇(2024年問題による時間外労働規制と職人の高齢化)、③建設需要の過熱(再開発・データセンター・半導体工場など大規模工事が集中し職人が不足)。これらが複合的に重なっており、短期での解消は難しい状況です。
Q. リノベーション費用はこれから下がりますか?
A. 数年内での大幅な下落は期待しにくい状況です。資材高騰の背景にあるエネルギー問題・円安・人手不足は構造的な問題であり、短期での解消が困難です。「待てば安くなる」という判断が必ずしも正解にならない時代に入っています。その間の賃料負担や好物件を逃す機会損失も含めて、トータルで判断することをお勧めします。
Q. コスト高騰の時代に、リノベーション予算はどう考えればいいですか?
A. 4つのポイントがあります。①3年前の感覚値をリセットし現在の相場で予算を立てる、②「全部やる」より「何のためのリノベか」で優先順位をつける、③物件価格とリノベ費用のトータルで判断する(物件が安くてもリノベ費用が高ければ意味がない)、④信頼できる施工会社との関係を早めに作る——相見積もりで最安値を探すより、現場を知るプロとの早めの相談が、工期・費用ともに結果的に安くなることが多いです。
Q. 費用が上がっても中古+リノベーションは新築より合理的ですか?
A. 多くのケースでそうです。新築マンションの価格も同様に建設コスト高騰の影響を受けており、江東区では好立地の新築が1億円超えのケースが増えています。リノベ費用が上がっていても、物件価格+リノベ費用のトータルで見れば新築と比べて依然として1,500〜2,000万円以上安い選択肢になるケースが多くあります。さらに自分仕様にできる自由と、希望エリアで選べる立地の選択肢の広さも大きな強みです。

著者:柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役 / 深川くらし 編集長 / 宅地建物取引士・2級FP技能士
不動産・建設業界歴40年超。バブル崩壊・リーマンショック・東日本大震災を経験。2016年に株式会社トラストリーを創業し、「深川たてもの相談所」を運営。管理組合運営・大規模修繕工事へのアドバイスも手掛ける。深川・清澄白河エリアの住まいと暮らしを発信するウェブメディア「深川くらし」編集長として、正しい知識に基づく住まい選びの普及に取り組んでいる。リノベーションの施工管理も含めた一気通貫のサポートを深川エリアで展開している。

本コラムは不動産購入・リノベーションを検討されている方への情報提供を目的としております。建設コストのデータは各掲載元の公開情報に基づきますが、実際のリノベーション費用は物件の状態・仕様・施工会社により大きく異なります。個別のご相談については専門家へのお問い合わせをお勧めします。

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