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コラム

ヴィンテージマンションを購入するときに注意するポイントとは

マンション価格の高騰により、築年数の古いマンションの購入も視野に入れている方も多いかと思います。
その中でも人気のヴィンテージマンションとは、一般的には価値が低下するような築年数がかなり経過しているものでも、価値を維持、または高めている物件を指します。

ヴィンテージマンションは、その独特の風格や歴史、そして洗練されたデザインから、多くの人々に魅力を感じさせます。

初めてマンションを購入しようと考えている方にとって、ヴィンテージマンションは一見素晴らしい選択肢に思えるかもしれません。しかし、購入にあたっては慎重な判断が必要です。本コラムでは、ヴィンテージマンションを購入する際に見極めるべきポイントを具体的に解説します。

1. 物件の歴史と評価

1.1. 築年数と建築スタイル

ヴィンテージマンションを購入する際、まず確認すべき点はその築年数と建築スタイルです。決まった定義はありませんが、ここでは築40年以上経過した物件を「ヴィンテージ」として分類することにします。建築様式も重要な要素で、例えば、一般的なタイル貼りのものから昭和モダンやアールデコスタイルなど、特定の時代のスタイルが評価されることがあります。

1.2. 過去のリフォーム履歴

室内外を問わず、物件の過去の修繕履歴などはしっかりと確認しておきたい項目です。リフォームが適切に行われているか、どのような工事がなされたかを知ることで、物件の状態や将来的なメンテナンスコストを見積もることができます。

2. 構造と材質の確認

2.1. 構造の耐久性

ヴィンテージマンションの構造は、耐久性に大きく影響します。例えば、鉄筋コンクリートもしくは鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は一般的に耐震性が高く、長寿命であることが多いです。

ただし、昭和56年(1981年)6月の建築基準法改正の以前に建築確認を取得している物件や1階部分がピロティになっている物件などは、耐震性や住宅ローン融資に懸念がでる可能性があるため、注意が必要です。

2.2. 使用されている建材

また、使用されている建材にも注目しましょう。例えば、内装に使用されている木材や断熱材。タイルの質感を含む外壁の状態などが重要です。特に、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、タイルの浮きなどは、早急な修繕が必要になる可能性があります。

また、ヴィンテージマンションで使用されている建材には、アスベストが含まれている可能性があるため、解体する場合には専門業者による調査や除去工事が必要なため、費用が高額になる場合があります。

3. 管理状況の確認

3.1. 管理組合の運営

マンション共用部分の管理状況は、物件の価値に大きく影響します。管理組合がしっかりと運営されているか、定期的に総会が開かれ、問題が適切に解決されているかを確認しましょう。また、管理費や修繕積立金の状況も重要です。

管理会社が有料で発行する「重要事項に係る調査報告書」に詳細が書かれている場合がありますので、不動産仲介会社などに必ず確認をしておきましょう。

3.2. 共用部分の状態

エレベーターや廊下、庭などの共用部分がきちんと手入れされているかも確認が必要です。特に、共用部分の状態は、居住者の意識を反映しているため、購入後の生活の質に大きく影響します。

新築マンションと違って、住んでいらっしゃる住人の状況を実際の目で確認したり、ヒアリングすることによって判断できることはメリットの一つです。

4. 設備の状態と更新

4.1. 内部設備の確認

マンション内部の設備も重要なポイントです。キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りがどのような状態か、またはどれだけリフォームが行われているかを確認しましょう。特に水回りは劣化が進むことが多いため、状態を詳細にチェックすることが大切です。

このようなケースの場合、リフォームの知識のある仲介会社や担当者だと、案内時にリフォームする箇所のアドバイスや費用感、リフォーム費用も含めた住宅ローンのアドバイスなどもできるため安心です。

4.2. 空調や電気系統の確認

空調や電気系統も重要です。古い設備が残っている場合、効率が悪く、電気代が高くなることやマンション全体で電気のアンペア数の上限が決められてる場合もあります。

また、エアコンの室外置場の影響で各部屋にエアコンがつけられない場合もあるので、注意が必要です。

5. 周辺環境の評価

5.1. 交通アクセス

周辺の交通アクセスは、生活の利便性に直結します。最寄りの駅やバス停までの距離、主要な交通路へのアクセスを確認し、通勤や通学に便利かどうかを評価しましょう。

5.2. 生活環境のチェック

周辺には、スーパーや病院、学校、公園などの生活に必要な施設があるかも重要です。将来的な発展計画がある地域かどうかも考慮すると良いでしょう。

特に建築計画の多い都内に位置するマンションは、将来にわたって現在の眺望や日照などが確保できなくなる場合があります。

5.3. 治安と騒音

治安や騒音についてもリサーチが必要です。地域の治安状況を調べるためには、警察署のホームページや地域情報サイトを活用することができます。また時間に余裕のある方は、朝と夜、平日と休日、晴れの日と雨の日など、実際に何度か訪れてみて、周囲の雰囲気を感じ取ることも大切です。

6. 購入後のメンテナンス

6.1. メンテナンスの計画

ヴィンテージマンションは、購入後にメンテナンスが必要になることが多いです。どの程度のメンテナンスが必要かを事前にリサーチしておきましょう。特に、大規模修繕の計画がある場合は、その費用や内容を確認することが重要です。

こちらの内容も管理会社の発行する「重要事項に係る調査報告書」や「長期修繕計画書」、「総会議事録」などで確認することが出来ますので、不動産仲介会社に確認してみてください。

6.2. 専門業者の選定

メンテナンスに必要な専門業者の選定も重要です。信頼できる業者を見つけておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

管理会社や他人任せにすることなく、マンションの区分所有者としての意識を持つことも大切です。

7. 法的確認と契約

7.1. 法律的な確認

購入にあたっては、法的な確認も欠かせません。建築基準法や都市計画法に適合しているか、違法建築ではないかを確認しましょう。また、登記簿や管理規約を確認し、権利関係を整理しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

7.2. 契約内容の確認

契約内容をしっかりと確認することも重要です。契約書には、購入価格や支払い条件、引き渡し日、瑕疵担保責任などが記載されています。分からないことがあれば、すぐに仲介担当者に確認してください。

8. 購入価格の相場

8.1. 相場の把握

周辺地域の相場を把握することは、適正価格での購入を実現するために重要です。複数の物件を比較することで、自分の予算に見合った物件を見つけることができます。

8.2. 価格交渉

価格交渉を行う場合、過去の取引データや周辺相場を元に根拠を持った交渉が重要です。また、売主の事情を理解することで、交渉がスムーズに進むことがあります。

人気物件の場合には、ご検討されている方が重複しているケースもあるため、安易に価格交渉するのではなく、交渉することによって購入出来なくなるリスクもあることも念頭に置きましょう。

9. 専門家の意見を聞く

初めてのマンション購入にあたっては、専門家の意見を聞くことが非常に有益です。不動産のエージェントや建築士、インスペクターなどの専門家がいることで、見逃しがちなポイントや、購入後のトラブルを未然に防ぐ手助けをしてくれます。

また最近ではセカンドオピニオンとして、利害関係のない第三者の意見を聞くケースも増えています。

まとめ

このようにヴィンテージマンションの購入は、多くの魅力を持ちながらも、慎重な判断が求められます。物件の歴史や構造、管理状況、設備の状態、周辺環境、購入後のメンテナンス、法的な確認、価格の相場をしっかりと見極めることで、満足のいく購入ができるでしょう。初めてのマンション購入に不安を感じるかもしれませんが、これらのポイントを押さえておくことで、安心して新しい生活をスタートさせることができるはずです。

それには安心できる不動産会社の担当者選びも重要です。物件のいいところばかりしか言わない担当者ではなく、デメリットもしっかりと伝えてくれて、リフォームの知識も豊富な担当者を選ぶことをお勧めします。

ますは、あなたの理想の住まいを見つけるための一歩をぜひ踏み出してみてください!

著者:柴田 光治

株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio 代表|深川くらし相談所 所長

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
一般社団法人不動産エージェント協会 既存住宅流通活性化副委員長
不動産業界歴35年以上。一部上場不動産会社在籍中に執行役員として売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。
50代で今の会社を立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。自らも新築後20年の自宅マンションをリノベーションした経験を持つ。

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