不動産売却を成功させるためのポイント「相場を知る」

コロナ禍において在宅時間が増加したことで、現住居の間取り・設備・仕様・立地などに対する居住者の不満が高まり、住み替えのニーズが顕在化(=需要の高まり)する傾向にあります。それに伴って、中古マンション相場も成約数・成約価格ともに上昇基調となっています。

その一方で、供給サイドはレインズ(東日本不動産流通機構)の統計によると、2021年2月の実績(首都圏)で中古マンションの在庫物件数は15ヶ月連続で前年同月比減となっており、19年2月の在庫物件数と比較すると約25%減少しています。

需要と供給のバランスで不動産売却を考えると、コロナ禍で経済・社会情勢の先行きは不透明ではあるものの、売主優位の状況にあると言えそうです。

この記事では、(株)リクルート住まいカンパニーが実施した「2020年 住まいの売却検討者&実施者調査」を取り上げ、コロナ禍における不動産売却の動向を検証し、特に売主のマインドに注目して不動産市況の実態を考えてみたいと思います。

文末に不動産売却時のポイントをまとめていますので、ぜひご参考にしてみてください。

【1】コロナ禍相場を好感、不動産売却「有利」と考える人が38%

コロナ禍で不動産売却の検討を開始した方は、その時の状況を有利と考えている人が38%となり、不利の18%を大きく上回りました(表1参照)。

こういった背景もあり、コロナ禍以降に不動産売却を検討開始した人の売却完了率(実際に売却した人の割合)がコロナ禍以前の43.1%に対して、コロナ禍以降は56.4%まで伸びています。また、不動産売却の満足度もコロナ禍以前に8点以上(10点満点中)をつけた人が52.7%に対して、コロナ禍以降は63%まで上昇しています。

【2】有利な理由「買いたい人が増えている」が50.8%

有利だと考える理由について、「買いたい人が増えている」と回答した人が過半数の50.8%で最多となっており、コロナ禍以前に検討していた人よりも高い割合となっています(表2)。

他にも、「貸すより売った方がよさそう」が35.4%となっており、売り時と考えている人がコロナ禍以前よりもコロナ禍以降の方が増加傾向にあるようです。

【3】売却時の不満「価格の妥当性がわからない」46.2%

売却時の不満では、「売出価格・査定価格の妥当性がわからない」という回答が上位を占め、合計するとコロナ禍以降で46.2%となりました。コロナ禍以前でも44.9%と高い割合を占めています(表3)。

売出価格については、エリアの相場にマーケットのニーズを加味して決められていきますので、消費者にはなかなか把握しづらい面があるようです。また、以前別の記事でもご紹介したように、「囲い込み」による不透明な査定価格や売出価格を提示されていることも考えられます。

不動産売却における「囲い込み」が売主に与える不利益とは?

【4】まとめ

ここまで、コロナ禍における不動産売却の動向、特に売主のマインドに注目して不動産市況の実態を考えてきました。コロナ禍以降に売却の検討を開始した売主は、成約数の増加(ニーズの増加)、成約価格の上昇といったマーケットの変化や相場の動向を捉えることで「今が売り時」と判断していると言えそうです。こういったデータを元にした客観的な情勢判断が、売却後の満足度を高める一因となっていると考えられます。

相場を知るためには、レインズがホームページで公開しているエリアごとの中古マンション成約数・成約価格・在庫物件数などの推移を確認し、マーケットの現状を大まかでも良いので自分なりに把握しておくことも重要です。

また、「売出し価格・査定価格の妥当性」についても同様で、相場を自ら把握しておくことで、不動産会社が提示する価格と乖離が大きい場合は、その根拠を確認するなどの次の手を打つことができるようになりますし、ひいては不動産会社を見る目が肥え、信頼できるパートナーの選定にも役立つことでしょう。

相場価格については、国交省が公開している「不動産取引価格情報検索」は、不動産の取引当事者に国交省が調査・公表しているデータ(直近5年分)ですので、実勢価格に近いデータの推移を追うことが可能です。

深川のエリアにおいても、コロナ禍で需給バランスが崩れ、2020年の秋くらいから「超」がつくほどの売り手市場となっています。特に人気の清澄白河周辺エリアのファミリー向け物件は、出るとスピーディに買い手がついている状態です。

都内全般に値上がりしている現状の中でも、ここ最近の街の人気も相まっての現象ともいえますが、ここまでの上昇は正直想定していませんでした。

この人気は当面続くと思われますが、半永久的に価格が上昇していくわけではありませんので、どこかのタイミングで調整が入ると考えるのが普通でしょう。

【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役、リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士、公認不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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