コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由①「伸び悩むテレワーク導入率」

コロナ禍から1年が経過し、感染状況はまだまだ予断を許さない状況が続いています。

不動産・住まい探しのトレンドにおいては、コロナ禍によってテレワーク・在宅勤務が進み、地方移住や多拠点生活、ワーケーションといった言葉が一般化するなど、都心から郊外への人の流れが活性化するとの予想が広がりました。

しかし実際は、当社は東京都江東区深川周辺を主な商圏としていますが、深川のような都心に至近なエリアでお住まいを探す方がむしろ増えているというのが実感です。

そこで今回は、コロナ禍において都心居住を検討されるお客さまについて、なぜ郊外ではなく都心を選択されているのか、その背景も含めて考えてみたいと思います。

【1】伸び悩むテレワークの普及率

(株)リクルートが行った「全国就業実態パネル調査2021 臨時追跡調査」結果によると、2020年4月の1回目の緊急事態宣言下で増加したテレワークの実施率は32.1%でしたが、宣言解除後に18.1%に低下、2回目の宣言下では25.4%と伸び悩んでいます。政府が掲げる「出勤者7割削減」には大きな隔たりがある状況と言えるでしょう。

宣言下でテレワークを実施しなかった理由は、業種によって違いはあるものの「職場で認められていない」が最多(宣言1回目:56.7%、2回目:56.4%)、職場でテレワークが認められているが、対応できない業務のため」が次点(宣言1回目:40.7%、2回目:39.1%)となっています。

他の調査によれば、出勤したほうが仕事の効率が上がる、同僚や顧客とのコミュニケーションが深まるといった理由で、あえてテレワークを行わないという選択をする方も少なからずいらっしゃるようです。

緊急事態宣言下においても、テレワークを認めていない企業が多いこと、業務内容によってはテレワーク不可な職種があることなどに加えて、労働者自身が必ずしもテレワークに前向きではない現状を踏まえると、テレワークが広く一般化するためには超えなければならないハードルがいくつもあると言えるでしょう。

【全国就業実態パネル調査2021概要】
■調査対象:2019 年 12 月時点で 20~59 歳就業者で、かつ、「全国就業実態パネル調査 2020」「全国就業実態パネル調査 2020 臨時追跡調査」「全国就業実態パネル調査 2021」「全国就業実態パネル調査 2021 追加調査」のいずれも回答している人
■有効回収数:8,587 名
■調査期間:2021 年 3 月 4 日~3 月 15 日

【2】共働き世帯が多い都心居住世帯

都心部ならではの理由として、共働き世帯が多いことも一因です。令和2年度版の厚生労働白書によれば、全国の共働き世帯の割合は66.7%となっていますが、都心部に限ればこの割合は更に上昇するでしょう。

テレワーク普及率調査の結果も踏まえると、夫婦そろってフルリモートワークをしている世帯は限られており、夫婦のどちらか一方だけでも出社が必要となれば、出勤する方に合わせて住まいを選ばざるをえなくなります

その結果として、職場(都心)へのアクセスが優れていて、テレワークに適したスペースを確保できる住まいのニーズが再び高まってきていると考えられます。

【3】まとめ

大島川西支川(東京都江東区)

ここまで、コロナ禍において都心居住を検討されるお客さまが、なぜ都心を選択されているのかについて考えました。

テレワークの普及を見越して、郊外居住を検討したものの、テレワークが思ったほど普及しなかったことで、都心居住に回帰する層が一定数出現していると考えられます。

当社商圏の江東区深川エリアも、門前仲町・清澄白河駅から大手町駅まで乗り換えなしで5分〜10分弱程度の都心アクセスが至便な環境でありながら、中古マンションの価格もリーズナブルなことから注目を集めています。

中古マンション+リノベーションであれば、比較的リーズナブルな予算感で、自宅で仕事をすることを前提とした間取り・インテリアを実現することができることも関心が高まっていることの一因です。

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次回の記事では、コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由②「低金利&都心の資産性」についてご紹介します。

当社では、物件選びの方法から、お客さまに合った住まいづくりのポイントなどに関するセミナー・相談会を実施していますので、お気軽にご参加ください。

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【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表

宅地建物取引士、2級FP技能士、公認不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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