6月18日、金子国土交通大臣が不動産業の新しいキャッチフレーズを発表しました。
「地域とくらしのパートナー」
言葉そのものは、素晴らしいと思います。不動産業が本来あるべき姿を、よく表しています。
でも私は、これを聞いた瞬間にこう思いました。
キャッチフレーズを考えても、業界は何も変わらない。
変わるのは、トップと現場の一人ひとりの行動だけです。業界でこの仕事を40年続けてきた人間として、それだけは確信しています。
業界へのイメージは、なぜ変わらないのか
あなたは、不動産会社にどんなイメージを持っていますか?
「すぐに契約を急かされそう」
「気軽に相談しづらい」
「怖い」「しつこい」「横柄」
——これが、多くの方が不動産会社に持つリアルなイメージです。
こうした声を、私はこの業界に40年いながら、何度も聞いてきました。耳が痛い。でも、否定できない。
なぜこのイメージが何十年も変わらないのか。それは、言葉より先に、仕組みや習慣が変わっていないからだと思います。キャッチフレーズがどれだけ良くても、現場が変わらなければ、お客様の体験は変わりません。そしてお客様は、ちゃんと見ています。
業界の現実を、同業者として話します
AIの進化と大手プラットフォームの台頭により、不動産業界でも大手の寡占化が進んでいます。
かつて業界は「情報を持っている側」でした。どんな物件があるか、相場はいくらか、お客様より先に知っていることが、そのまま武器でした。
その武器は、もうほとんど意味をなしません。物件情報は誰でも見られる。相場もすぐに調べられる。お客様は来店前に、すでにかなりのことを把握して来ます。
不動産店舗は数が多く、中小零細も多い。目の前の一件を売ることは得意な業界かもしれない
大手ではセクションの異動が多く、地域を深く知る前に担当が変わる
目の前の数字やりえきに意識が向き、地域との繋がりが薄くなっていく
それだけで長く生き残れる時代は終わりつつある。残れるのは一握りです
地域を知ることが、すべての出発点
私が「深川くらし」というメディアを運営しているのは、情報発信のためだけではありません。
メディアを持つと、情報に敏感になります。
街で何かが変わると気になる。新しいお店が開くと気になる。住民の声が聞こえてくる。地域との繋がりが、自然と生まれていきます。
深川に根を張って仕事をしているからこそ、「この街に住む」ということの意味が、肌感覚でわかります。どの通りが静かで、どこのスーパーが便利で、朝の空気がどんな感じか。数字には出てこない、でも暮らしには直結する情報が、自然と積み上がっていきます。それが、お客様への言葉の厚みになると思っています。
私には、好きなテレビ番組があります
日本テレビの「オモウマい店」という番組をご存知でしょうか。
ものすごいボリュームで、信じられない安さで、お客様に料理を出すお店を紹介する番組です。私はこれが好きで、よく見ています。
なぜ好きかというと、店主の想いや根っこにある気持ちが伝わってくるからです。
お客様に喜んでもらいたい。美味しいものをお腹いっぱい食べてほしい。思い出になってほしい。出てくるお店の主人たちは、みんなそう思って動いている。お金のためではなく、人のために。
番組に登場するお客様にも、色んな人間模様があります。常連のおじいさん、家族連れ、一人で来た若い人。それぞれに事情があって、その日その店に来ている。
不動産の仕事も、まったく同じだと私は思っています。お客様の数だけ、物語がある。転勤、離婚、子どもの誕生、親の介護、はじめての一人暮らし。住まいを探す理由は、いつも人生の節目と重なっています。不動産とは、その場面に立ち会える仕事です。
根っこの部分は、「オモウマい店」の主人たちと変わらない。
お客様のことを、本気で考えているかどうか。それだけのことだと思っています。
私たちが大切にしていること
私たちのスタッフは、こちらの都合だけで結論を急がせません。
物件のメリットだけでなく、デメリットもしっかり伝える。そして「一晩おいて、ゆっくり考えてください」と言える。そういう動き方をしています。指示したわけではありません。マニュアルにも書いていない。気づいたら、そう考えて行動するスタッフが集まっていました。
お金のためだけではない。義務でもない
ただひたすら、お客様のことを理解して、一緒に実現したい
だからこそ、「物件から来る」のではなく「相談から来る」お客様が多い
信頼関係が先にあって、そこから一緒に動き出す
だから、「深川くらし相談所」をつくりました
物件を持って来なくていい。買うかどうか決まっていなくていい。「なんとなく話を聞いてみたい」から始められる場所として、「深川くらし相談所」を運営しています。
キャッチフレーズを看板にするのではなく、日々の関わり方そのものがキャッチフレーズになること。私たちはその言葉が生まれるずっと前から、それを目指してきました。これからも変わりません。
「地域とくらしのパートナー」。看板を掲げる会社が増える
言葉が生まれる前から、日々の関わり方そのものをキャッチフレーズにしてきた
変わるのは、現場だけ
「地域とくらしのパートナー」という言葉が、業界全体に広まることを願っています。ただし、看板だけが増えても意味はない。
今の時代、お客様はよく調べています。口コミを読んで、SNSを見て、ホームページも見て複数の会社を比較して来ます。表面的な言葉や、取り繕った態度は、すぐに見抜かれます。
キャッチフレーズを考えても、業界は変わらない。
この言葉を体現できる会社だけが、これからのお客様に選ばれ、長く続き、そして仕事を心から楽しめると、私は信じています。同業の方にも、これを読んでくれた一般の方にも、そう伝えたくてこの文章を書きました。
よくある質問
単なる物件の紹介屋ではありません。
住まいのこと、お金のこと、この街のこと
どんな小さなことでも、気軽に話しかけてください。
「まだ決めていない」「何から聞けばいいかわからない」
そんな段階からのご相談を、いつでもお待ちしています。
東京・深川で不動産売買・リノベーションに携わって10年。地域メディア「深川くらし」を運営し、現場で積み重ねてきた肌感覚と地域への愛着をもとに、住まいと暮らしについての情報を発信しています。



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