「うちの玄関でもできるかも?」と思ってもらえたらうれしいです。

今回のリニューアルで考えたこと
私たちは不動産とリノベーションを中心にした、暮らしをデザインする会社です。だからこそ、自分たちの事務所も「こんな暮らし方ができますよ」という提案の見本にできれば、と考えました。
大切にしたことは、建物を大きく壊さず、今あるものを活かしながら印象を変えること。そして、地域の方にも親しみを持っていただけるようなデザインにすること。
今回使った素材は、外壁の塗料、土間の左官材、サッシのフィルム、ガラスの遮熱フィルムの4つ。このほか、室内に飾っているタペストリーも別途ご紹介します。

01. 外壁|ポーターズペイント(STONE PAINT)

どんな素材?
オーストラリア生まれの、手作業で仕上げる質感塗料です。天然の石英(クオーツ)や大理石の微粒子が入っていて、光を乱反射するマットな表情になり、手触り感のある印象になります。
選んだポイントは?
一般的な平らな外壁塗装とは違い、クラフト感のある、建物の「顔」をつくれのがポイント。光の当たり方で、壁の見え方が変わるので使ってみました!
使ってみた正直な感想
実は、外壁に凹凸があるので、このペイントらしい刷毛の陰影は出しづらかったです…ただ、特徴的なざらつきとマットな質感は、やっぱり好みでした。
おうちで使うなら!
私たちは店内のリニューアルでも、内装にこのペイントを使いました。カラーバリエーションも豊富で、部屋の印象がぐっと変わります。
02. 土間|モールテックス(BEAL MORTEX)

どんな素材?
ベルギーのBEAL社が開発した、セメントと特殊樹脂を混ぜた薄塗りの左官材です。厚みは2〜3mmほど。それでもコンクリートの約1.5倍の表面強度があり、左官塗材でありながら水にも強いのが特徴。
選んだポイントは?
耐水性があるのと、無機質でモダンなモルタル調のエントランスにすることで、見た目も引き締まる!
使ってみた正直な感想
耐水性が高いので使い勝手はとても良く、キッチンなどの水回りにも人気な素材。ただ、価格が高めなのが難点です…
おうちで使うなら!
玄関の土間や、キッチンまわりなど。水に強いので、水回りのリノベーションにも向いています。
03. サッシ|サンゲツ 高耐候リアテック(TCE-4541)

どんな素材?
屋外で使えるコンクリート・モルタル調の化粧フィルムです。粘着剤付きで、既存の下地にそのまま貼れます。屋外での耐候性は約10年相当とされています。
選んだポイントは?
サッシを解体・交換しなくても、外観のデザインをリフレッシュできるところが魅力的。コンクリート調の柄を選んで、外壁や土間と色味・質感をそろえました。
使ってみた正直な感想
色や柄の種類が豊富で、選ぶのに迷いました。部分的な使い方もできるので、用途は広そうです。
おうちで使うなら!
古いアルミサッシの印象を変えたい、でも交換は大がかり…というときに。まずは1か所から試せるのもうれしいところです。
04. ガラス|サンゲツ 高領域UVカット遮熱フィルム(シンラ HR90/GF1462)
どんな素材?
高い透明度を保ちながら、太陽の熱線と広い範囲の紫外線をカットするフィルムです。可視光線透過率は87%で、視界はクリアなまま。日射熱の流入を抑え、紫外線をカットします。
選んだポイントは?
枠ごと交換する工事は費用が大きくなるのもあって、今あるガラスを活かし、低コスト・短い工期で、室内の温度上昇と日焼けに対策できるのがこのフィルムでした。
使ってみた正直な感想
見た目の印象は、まったく変わりません。遮熱やUVカットには期待していますが、季節的に効果のほどはこれからという感じです。夏を越えたら、またお伝えできればと思います。
室内側の工夫|タペストリー

🖼️ タペストリー|山形緞通「WASHI」と「KOKE」
皇居新宮殿や迎賓館への納入実績がある山形緞通と、建築家の隈研吾さんがコラボレーションした手刺の絨毯を、床ではなく壁に掛けました。
「WASHI」は江戸時代の「油団(ゆとん)」に着想を得たデザインで、和紙の撚り糸・羊毛・シルクを4層の毛足で編み上げています。「KOKE」は、ウールとシルクの質感と毛足の高低差で、みずみずしい苔の情景を表現しています。
一度山形の工場にも足を運んだことがあるのですが、糸の繊細な色使いと、一つ一つ丁寧に織られるその技術に惚れ惚れしてしまいました。実際にみると、とても品がよく照明の灯りや角度によっても風合いが変わるのが、特徴的。触り心地もよく、近くでみるとその繊細さに心が動かされます。
おかげで、空間のアイストップになり、事務所の象徴的な存在になりました。

自分の家でやるなら|素材選びのヒント💡
今回の事務所づくりで感じたことを、まとめてみました。
- 全部をやり替えなくても大丈夫!土間、サッシ、窓フィルムなど、1か所から始められます。
- 「性能」と「見た目」のどちらを優先するか、予算とあわせて先に決めておくと選びやすくなります。
- 迷ったら、塗装やフィルムなど、小さく試せるものから試すのも良き
私たちも、ペアガラスへの交換ではなくフィルムを選ぶなど、予算とのバランスを見ながら決めました。
→ 山形の旅の記事も、「深川くらし」で特別編として公開中です!
よくある質問
- Q. フィルムでも、サッシの印象は変わりますか?
- A. 変わります。今回は、コンクリート調のフィルムを既存のサッシに貼って、外壁や土間と色味をそろえました。ただ、仕上がりはサッシの状態や貼る場所によって変わりますので、現地を見たうえでご相談ください。
- Q. モールテックスは、自分で施工できますか?
- A. 施工の方法によって、仕上がりや強さが変わる素材です。まずは施工会社にご相談ください。
- Q. お部屋一部だけ、住宅ではなく店舗のリニューアルも相談できますか?
- A. もちろんです。玄関まわり、窓だけといった部分的なご相談も歓迎しています。

執筆者:柴田
TRUSTORYのデザイナーとしてブランディング・プロモーションデザインを担当しています。



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