4月15日に公益財団法人の東日本不動産流通機構が発表した「2021年3月度の首都圏不動産流通市場動向」によると、同月の首都圏における既存の中古マンション成約数は4,228件と前年同月を16.1%も上回りました。
これは1990年の東日本不動産流通機構発足以降、過去最高となっています。
目次
3月度の首都圏不動産流通市場動向の注目すべき数字とは
特に東京都は2,221件と前年同月比で15.1%も増加という驚きの数字が出ています。
近県でも、埼玉県が486件で17.7%の増加。千葉県は494件で13%増。神奈川県は1,027件で19.1%の増加とすべてのエリアで前年同月の数字を上回っています。
東京都の1平方メートル当たりの平均成約単価は79万3,100円。これは前年同月比で11.6%と大幅に上昇。
平均成約価格は4,834万円と、コロナ禍においても10か月連続で前年同月を上回っています。
しかし、東京都における新規登録件数だけを見ると7,806件と20ヵ月ぶりに前年同月を17.3%も下回っており、これは18ヶ月連続で前年同月比を下回ったことになります。
東京都の中古マンションの在庫件数は、2021年3月時点では19,920件と前年同月比で23%も下回っており、極端な品薄の状態が続いています。
首都圏不動産流通市場動向の数字から読み取れること
個人的な感覚としては、今年に入って江東区のエリアも比較的ファミリー向けの中古マンションの動きが特に活発でした。
中でも人気の清澄白河エリアを中心とした広めの平成築物件の動きが活発で、販売開始するとすぐに案内が複数件入り、即購入申し込みが入ってしまうという、まさに物件を奪い合うような状態。
まさに「超」がつくほどの売り手市場で価格もおのずと上昇傾向にあります。
人気のエリアの良質物件は動きが速いため、探し始めの方は購入に向けての事前準備をしっかりと行っておきましょう。
人気エリアでの物件探しで大切な5つの事前準備とは?
1.ご両親の理解は得られているか
(いい物件が見つかってからご両親に報告し、反対されるケースは少なくありません)
ご両親から見れば、いつまでも子供と思って心配される方は多いようです。
ゆくゆく実家に戻ってくれることを期待して購入に反対するケースや、自分たちで住むがごとくいろいろな意見を言ってくる親御さんも多いです。
また、心配して物件を親御さんにお見せしてから判断される方も少なくありません。
中にはご両親が応援してくれて、購入を資金面でバックアップしてくれるケースも。
賃貸と違って購入する場合には、親御さんからのまとまった資金援助についても税制面のメリットがあるので専門家にも聞いてみましょう。
2.ご夫婦のコンセンサスは得られているか
(ご夫婦で意見が食い違いってなかなか先に進まないことも)
ご夫婦で意見がまとまっていないと、最終結論を出すのは難しいですよね。
なかには普段家にいるのは奥様の方が長いので、奥様の意見を中心にして判断される理解のあるご主人様もいらっしゃいますが、一般的には、水回りや生活同線は奥様主導で、立地や資金面はご主人という方が多いようです。
ただし、物件に100点満点を求めるのではなく、80点以上であれば生活しながら100点に近づけていくといった考え方が大事です。
3.リフォームやリノベーションのイメージは出来ているか
(リフォーム代金も含めて住宅ローンを借り入れする方は特に注意が必要です。購入とリフォームをワンストップで提案できる会社をお薦めします)
最近は、購入とリフォームをワンストップで提供する会社が多くなってきました。
どちらか片方しか取り扱っていないと、専門知識が偏ってるのと同時に自社の得意な分野(不動産orリフォーム)の金額を優先して進めてくるのと同時に、スピード感も鈍くなってしまいます。
昨今はこだわりのリノベーションを進めてくる会社も多く、デザインの多様性もあってワクワクしてくるのですが、リノベーション費用が嵩んでしまって、肝心な購入予算を我慢するなんてことも。
大事な資産である不動産購入費用を減らしてしまうと、理想のエリアを我慢したり、築年数が古い物件になってしまったり、まさに本末転倒です。
弊社では、お客様のご要望に寄り添いながら、総予算に考慮した購入とリフォーム(リノベーション)のご提案をワンストップでさせていただいております。
4.しっかりとした資金計画が立てられているか
(ファイナンシャルプランナーによるアドバイスや住宅ローンの事前審査を先に行っておきましょう)
低金利が続いているのと同時に、さまざまな税洗面のメリットがあったりと、購入を前向きに考えてる方は多いと思います。
ただし、そこはやはり何十年もの長い期間も住宅ローンを組むとなると、先々の不安が先に立つことも当然かと思います。
特に、現在は住宅ローン金利が安いので、ついつい背伸びをして身の丈以上の予算を検討してしまうこともあるでしょう。
それ以前に、自分たちにとってどのくらいの予算が適当なのかを考えるのは簡単ではありません。
そこで弊社では、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーと提携し、無料で事前のご相談に応じています。
これからかさむ教育費や、保険代、老後のことまで、第三者であるファイナンシャルプランナーの先生に何でも相談してみてください。
きっと今後の物件探しがより効率的かつ具体的になっていくと思います。
5.「なぜ買うのか」を今一度考えてみましょう
なぜ買うのかについてはこちらの記事を参考にしてください。
不動産の購入にこだわることなく、一生気楽な賃貸暮らしを選ばれる方も少なくないと思います。 購入しない理由として、 「住宅ローンに縛られたくない」 「将来的に実家に戻るので」 「気軽に住み替えをしていきたい」 など、購入しない理由もそれぞれあることかと思います。 では実際に購入した方は、 ...
まとめ
中古マンションの取引は、先着順が一般的です。
同じ部屋、同じ価格など、全く同じ物件というのはほとんど出てきません。
いざ購入したいと思う優良物件が出てきたときに、他の方に先を越されてしまう可能性も少なくありません。
上記の事前準備を今からしっかり行っておけば、効率的で納得のいく購入が出来る可能性が高くなると思います。
購入をお考えの方は、今から少しづつでも準備しておくことをお薦めします。
【書いた人】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio 代表|深川くらし相談所 所長
宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
一般社団法人不動産エージェント協会 既存住宅流通活性化副委員長
不動産業界歴35年以上。一部上場不動産会社在籍中に執行役員として売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。
50代で今の会社を立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。自らも築20年の自宅マンションをリノベーションした経験を持つ。
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