不動産の購入にこだわることなく、一生気楽な賃貸暮らしを選ばれる方も少なくないと思います。
購入しない理由として、
「住宅ローンに縛られたくない」
「将来的に実家に戻るので」
「気軽に住み替えをしていきたい」
など、購入しない理由もそれぞれあることかと思います。
では実際に購入した方は、
「なぜ住宅を買ったのか」
「どのタイミングで購入したのか」
購入した人なりの考え方や理由も必ずあるものです。
現在、賃貸と購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
以下、購入した理由の上位から見てみましょう!
目次
1. 金利が低く今が買い時だと思った
史上最低金利と言われてから何年経ったでしょうか。最近の日銀総裁の発言からしてもまだまだ低金利は続きそうですが、この先何十年と支払っていく住宅ローン。
低金利が続いていると、今のうちに住宅ローンを借りて、元気なうちに繰り上げ返済していきながら早めに完済したいと考える方たちが増えてきています。
逆に元気なうちでないと、団体信用生命保険に加入できずに銀行ローンが組めなくなる可能性も。団体信用生命保険料は銀行の住宅ローン金利に含まれており、借りた方が死亡や重度の障害などにあった場合、その後の返済が免除になるのです。
最近の団体信用生命保険は内容も充実していて借りる銀行によって内容が若干違いますが、8大疾病やがん告知の段階で、その後のローン返済が免除になる可能性もあるのです。
住宅ローンを重荷と捉える方もいらっしゃいますが、団体信用生命保険への加入は賃貸には無いメリットとして、家族に安心感を与え、購入を決断される方も多いのです。
2. 家賃が高くてもったいない
誰しも「損をしたくない」という心理があるように、現状の家賃や更新料をもったいないと考える方は多いようです。
賃貸暮らしは住み替えが楽とお考えの方も多いようですが、引っ越しが多いと、その都度契約金や引っ越し代などで、引越貧乏になってしまうことも。
毎月気前よく(?)多額の家賃を大家さんに払っていても、資産として何も残らない賃貸暮らしに不安を覚える方はとても多く、特に更新(更新料の支払い時期)のタイミングで検討される方は、今でも購入するきっかけの上位を占めています。
3. 子供や家族のため
お子様や家族のために何かしらの資産を残したいと考える方は多いようです。
また、お子様にとって実家とは親元を離れても思い出に残る大切な場所。
家族が増えたり、学校に入学するタイミングであったりと、家族の成長に合わせて家族の終の棲家として購入される方もいらっしゃいます。
若いうちに購入した先輩たちは、家族の成長のタイミングやライフスタイルの変化に応じて買い替えられる方も少なくありません。
住宅ローンで購入して団体信用生命保険に加入することにより、ご家族への安心にもつながります。
4. 老後の安心のため
一生賃貸費用を支払い続けることに老後になってから不安に感じる方は多いです。
賃貸暮らしでは、毎月毎に家賃を支払いますが、平均寿命が長くなっている現代において、亡くなるまで一生賃貸費用(家賃、更新料など)を支払うことは、心の片隅に緊張感を生み出します。
もちろん、購入した場合でも住宅ローン完済後に管理費を支払うことや、固定資産税などを支払い続けることが必要になりますが、毎月の賃貸費用を支払うことへのストレスに比べたら、持ち家の方は最低限の生活が保障されるので、特に老後においては安心です。
果たしてこの先、年金生活で家賃を払い続けていけるのか。
老後に何らかの事情で住み替えなければいけなくなったときに、新たな転居先を借りることができるのか。
室内をバリアフリーなど自分仕様にリフォームをしたくても、賃貸の場合は勝手に手を付けることが出来ません。
購入に比べて気軽だと思って選択した賃貸暮らしでも老後の不安は尽きないものです。
そうならない為にも、若く元気なうちに住宅の購入を検討する方は多いのです。
5. 資産として有利だと思った
住宅ローンで購入しても最終的な支払いが完了してしまえば、家賃のように払い続けなくても良いですが、やはり定期的なメンテナンスは必要となります。
家賃の総支払額とローンの総支払額+経費とで比較するケースがありますが、必ずしも購入した方が安くなるわけではありません。
ただし不動産は資産としての側面もあるため、最終的には売却することも、貸して家賃収入を得ることも可能です。
もちろん買った時よりも安くなってしまう可能性もありますが、長い目で見れば不動産価格は上昇傾向で、特に都心から近い物件は値崩れしにくい為、有利と言えるでしょう。
6. 税制面で有利で今が買い時だと思った
国の景気対策の一環として住宅の売買は景気刺激策にもつながるため、その昔から税制面等で様々な恩恵があります。
中身は変われど、長い間継続している「住宅ローン控除制度」などもその一環ですし、住宅購入時の贈与税の特例や買い替え特例なども受けられることもあります。
当然ながらこれらは賃貸には全く無い、購入した場合の特権と言えるでしょう。
ただし、購入時期によって制度が改正になったり、物件により利用できない場合もありますので、確認が必要です。
人によって購入動機は様々ですが、今一度「なぜ買うのか?」「いつまでに買うのか?」の動機と時期をしっかり整理することが必要です。
もちろん信頼のできる不動産会社の担当者や、お金のプロであるファイナンシャルプランナーなどからアドバイスを受けるのも良いでしょう。
ここが整理できると、今後の物件探しの見方も変わってくるはずです。
購入の時期は?
購入する時期については人それぞれですが、「頭金をためてから」とか「相場が下がるタイミングで」と考える方も多いかと思います。
将来の予測については誰もわからないことが多いので、一般的には俗に言う”買いたいと思った時が買い時”が正解なんだと思います。
自己資金が少なくても、今では物件価格以外にかかる諸経費やリフォームの費用も含めて住宅ローンとして組める場合があります。
家賃を支払っている状況においては、頭金の為にお金を貯めたくても実際には中々思うようにいかないケースもありますよね。
そのうちに金利が上がってしまったり、思わぬ病気で団体信用生命に加入できなくなり、住宅ローンが組めなくなってしまうケースも考えられるのです。
物件の価格も含め、将来の予測をたてるのは難しいものです。
信頼できるプロの意見や購入した先輩の意見などを参考にしながら、なるべくなら年齢の若い段階での購入をお薦めします。
「購入した先輩たちに聞く!」インタビュー&体験記はこちらから ↓ ↓
インタビュー・体験記 – 深川くらし
(2023.5.18 加筆)
【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役、リフォーム不動産深川studio、深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年超。大手不動産会社在籍中に役員として、主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後数社の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。