【不動産コラム】「中古マンションでいい」から「中古マンションだからいい」時代へ

かつて日本では、新築物件こそが最良の選択肢とされ、中古マンションは「仕方なく選ぶ次善策」として捉えられがちでした。しかし、近年ではその価値観に変化が訪れ、中古マンションを積極的に選ぶ人々が増えています。その背景には何があるのでしょうか。今回は、中古マンションの魅力とその人気の理由について探ってみます。

■中古マンション購入の3つのメリットとは

まずは、中古マンションの具体的なメリットについて見ていきましょう。

1. コストパフォーマンスの良さ

中古マンションの最大の魅力は、何と言ってもその価格です。新築物件と比較すると、同じエリアであっても大幅に安価で購入できることが多いです。例えば、都心部で新築マンションを購入する場合、今では億ションは当たり前の時代。数千万円から億単位でのお借入れが必要となり、キャッシュも大きな資金が必要になることも少なくありません。しかし、中古マンションならば同じエリアでも手が届く価格帯で探すことが可能です。

この価格差は、購入後のリフォームやリノベーションに充てる予算を確保する上でも大きな利点となります。購入価格を抑えた分、内装を自分好みにカスタマイズすることができ、「自分だけの理想の住まい」を実現できる可能性が広がります。

2. 立地の選択肢が広がる

中古マンションの多くは、すでにインフラが整った利便性の高いエリアに存在しています。特に都市部では、駅近くや商業施設、学校、公園などが充実した場所に多くの中古マンションがあります。

一方、新築マンションは土地の価格が高騰しているため、どうしても郊外や利便性が少し劣る場所に建設されがちです。中古マンションを選ぶことで、ライフスタイルや通勤通学の利便性を考慮した住まいを選ぶことができます。

3. 実物を確認できる安心感

新築物件の場合は、完成前に契約を結ぶケースが多いため、手の込んだパンフレットやきらびやかなモデルルームを見て判断するケースが多いため、実際に住んでみてから「思っていたのと違う」というギャップに悩まされることもあります。しかし、中古マンションならば、実際の部屋や建物を見学し、眺望や共用部分、入居者の様子や環境などを確認した上で購入を決断することができます。

また、築年数が経過していることで建物の状態が把握しやすく、耐久性やメンテナンスの状態も確認できるのと同時に、実際の管理の状況なども把握しておくことが可能です。これは、購入後の不安を軽減する大きなポイントです。

■中古マンションが人気の背景

中古マンションの魅力は理解できたとしても、なぜこれほどまでに注目されるようになったのでしょうか。その背景には、いくつかの社会的な要因が考えられます。

1. ライフスタイルの多様化

現代のライフスタイルは、多様化の一途を辿っています。特に若年層では、仕事や趣味、家庭生活の優先順位が人それぞれ異なり、住まいに求める要素も多岐にわたります。

例えば、都市部での利便性を重視する人や、自然豊かな環境を求める人、リノベーションを楽しみたい人など、その価値観は様々です。このような背景から、柔軟に選択肢を提供できる中古マンションが支持されています。

また昨今の若い方は、洋服や小物類など、中古品への抵抗が少なく、ヴィンテージやレトロなものに対する価値観が多様化しており、新しいものより、商品の価値やリセールを気にする方が多くなってきています。

2. 経済状況の変化

長引く経済不況や賃金の停滞によって、多くの人々がコスト意識を高めています。特に住宅に関しては、購入後もローンの返済や維持費がかかるため、慎重な判断が求められます。

中古マンションの魅力的な価格設定は、こうした状況において大きなアドバンテージとなります。新築よりも無理なく手が届く価格帯での購入が可能であるため、経済的な安心感を得ることができます。

3. リノベーションブームの到来

近年、リノベーションが注目を集めています。テレビ番組やSNSでの情報発信を通じて、リノベーションの魅力が広まり、「自分らしい住まい」を追求する人々が増えています。

以前に比べて、リノベーション費用も低金利の住宅ローンとして、融資してくれる金融機関が増えたことも要因です。

中古マンションは、リノベーションによって新たな価値を創出できる絶好の素材です。古い物件でも、内装や設備を一新することで、まるで新築のような空間に生まれ変わります。このプロセスは、居住者自身の手で行うこともでき、楽しみながら住まいづくりを実現できます。

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■中古マンションの選び方

では、具体的に中古マンションを選ぶ際にどのような点に注意すべきなのでしょうか。

1. 立地条件の確認

まずは立地条件をしっかりと確認しましょう。通勤通学や日常生活の利便性を考慮し、長く暮らしていくうえで最適な場所を選ぶことが大切です。時間に余裕のある人は、「平日と休日」「朝と夜」「晴れの日と雨の日」など、時間帯や日程を変えて視察すると良いでしょう。また、将来的な街の発展性や資産価値にも注目すると良いでしょう。

2. 物件の状態把握

中古マンションは築年数が経過しているため、物件の状態をしっかりと把握することが重要です。外観や内装、設備の劣化状況を確認し、必要なリフォームや修繕の費用を見積もりましょう。また、耐震性能や防犯設備の充実度もチェックポイントです。

3. 管理体制の確認

マンションの管理体制も重要な要素です。管理組合の運営状況や修繕積立金の状況、今までの修繕履歴や今後の修繕計画などを確認し、適切な管理が行われているかを見極めましょう。これらの書類が残っているマンションや管理が行き届いている物件は、長期的に安心して暮らすことができます。

4. リノベーションの可能性

リノベーションを考えている場合は、物件の構造はもちろん、マンションの管理規約などをチェックして、規制についても確認しておきましょう。特に、間取りの変更や設備の設置に制約がある場合もあるため、事前に情報を収集しておくことが大切です。

5. リノベーションに詳しい不動産会社や担当者を選ぶ

中古マンションの購入からリノベーションまでは、さまざまなハードルをクリアしていく必要があるため、会社選びも重要となってきます。

現在ではリノベーションブームによって、中古物件の購入からリノベーションまでをワンストップで提案する会社も増えてきました。
物件探しは「不動産仲介会社」、リノベーションは「工務店やリフォーム会社」、などと分けて考えると、物件の動きの速い人気エリアでは、スピード感に欠けてしまい、買いたいと思った物件が見つかっても、買い逃してしまう可能性もあります。

その点、物件探しからリノベーションまでをワンストップで提案できる会社ですと、物件ご案内時にリノベーションのおおまかな予算を提示して住宅ローンの事前審査用の見積書の提示までもがスムーズに進めることが可能となります。
これにより欲しい物件が見つかった時に、申し込むまでのスピードが速まるため、買い逃しのリスクが軽減されるのです。

■まとめ

「中古マンションでいい」から「中古マンションだからいい」という価値観の変化は、私たちのライフスタイルや社会状況を反映したものです。中古マンションは、経済的な利点だけでなく、個々のライフスタイルに合わせた柔軟な住まい選びを可能にします。

これから住宅購入を考えている方々にとって、中古マンションは新たな選択肢として注目すべき存在です。ぜひ、その魅力を理解し、自分に最適な住まいを見つけるうえでも、よりよい担当者選びもあわせて行ってください。

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