手付金と頭金
お客さま対応をしている中で特に引っかかるポイント、手付金と頭金。
特に手付金については頭金と混同させて考えられている方が多いように感じるので、これらの違いについて説明していきます。
まず最初に、手付金と頭金は全く別物です。
頭金は言ってしまえば『自己資金』と同じ意味。
購入に際してかかる合計の金額に対して、融資を受けずにご自身の資産でお支払いできるお金を頭金と言います。
例えば、3,000万円の物件で諸費用が250万円だった時、頭金が300万円あるAさんは、残り2,950万円の融資を受けます。
それに対して頭金は、言い換えるとすれば『前払金』。
契約時に売主に対して『本気だよ、買うよ』という意思表示をするために物件価格の一部を前払いするお金です。
『物件価格の一部を前払い』なので、決済時には物件価格にもちろん充当され、『戻ってくるお金』なんて説明するときもあります。この『戻ってくるお金』については後ほど。
手付金の大きな特徴は2つ。契約時に支払うという点と、現金で支払うという点。
相場はおおよそ物件価格の5%とされていますが、規則で決められた額はありません。
先ほどの例に登場したAさんが頭金を150万円支払う場合、ご契約時に150万円ご準備いただき、残りの150万円は口座に置いておいていただけばOKということになります。
具体例を見てみましょう。
Aさんの決済時のお金の動きをざっくりまとめてみました▽
①Aさんの口座に2,950万円の融資が降りる
→口座の残高は3,100万円になる。
②売主に物件価格の残金を支払う
→手付金で150万円は既に支払い済みなので、残金2,850万円を支払う。
③残りの250万円で諸費用を清算
では、頭金0円で諸費用分まで融資を受けるBさんの場合はどうなるでしょうか。
Aさんと同じ条件で考えると、融資金額は3,000+250で3,250万円、手付金は150万円です。
決済時のお金の動きはこうなります▽
①Bさんの口座に3,250万円融資が降りる
②物件価格の残金(2,850万円)を支払う
③諸費用(250万円)を清算する
④3,250-2,850-250=150万円口座に残る
これが『戻ってくるお金』の原理です。
前払いした分も融資額に含まれているので、全ての清算が終わった時に口座に残る(戻る)んですね。
何となく整理できましたでしょうか?
今回は手付金と頭金の違いをまとめてみました。
もちろん頭金を出せたほうが金利の面で優遇されやすい等良いこともありますが、家計を無理に圧迫してまで頭金を出すべきではないと私は考えています。
FP(ファイナンシャルプランナー)との相談をうまく使いながら、融資金額や物件価格、頭金などを無理のない範囲で定めていきましょう!
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