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コラム

資産価値を守るリノベーションとは?― “買って終わり”にしない、中古マンションの育て方 ―

新築が高騰し続ける今、私たちが見直すべきは「中古マンション+リノベーション」という選択肢です。

リノベというと、“好きな空間をつくる”というイメージが強いかもしれませんが、私たちはそこにもう一つの視点——「将来の資産価値を守る」という観点を加えることが重要だと考えています。

このコラムでは、「自分らしく暮らせること」「将来の選択肢を広げること」を両立する“しなやかなリノベ”の考え方についてお伝えします。


■ なぜ今、リノベのしくみで資産価値に差がつくのか

中古マンションの買い方を間違えないために、最近は「管理状態の良さ」や「市場の動向(4P)」を読む視点など、多角的な視点が求められるようになっています。

※「市場の動向(4P)」とは、物件の魅力や価格、立地条件、将来の売却時の流通性までを俯瞰して見るマーケティング的な視点のこと。4Pは「商品(Product)」「価格(Price)」「立地・流通(Place)」「売り方(Promotion)」の4つを意味し、不動産を“資産”として捉える上でも有効な考え方です。

それは、リノベーションにおいても同じことが言えるでしょう。 単に設備の新しさやデザイン性ではなく、「どれだけ資産価値を保ちながら、自分たちらしく暮らせるか」という視点がますます重要になっています。


■ 資産価値を守るリノベーションの条件

リセールしにくいリノベーションには、いくつか共通する特徴があります。以下は、実際に売却時に「敬遠されがち」なリノベ例です。

❌ 個性が強すぎるデザイン

非常に独特な色使いや内装、趣味性の高い素材の使用などは、一部の買い手には魅力的でも、多くの人にとっては好みが分かれる要因となります。 ➡ 万人受けするシンプルなデザインや、将来的な変更が容易な汎用性の高い素材を選ぶことが重要です。

❌ 間取りの大幅な変更

壁を撤去して広すぎるワンルームにする、極端に部屋数を減らすなど、一般的な間取りから大きく逸脱した改修は、家族構成の変化に対応しにくく、買い手を限定する可能性があります。
➡ 将来的なライフスタイルの変化を考慮し、柔軟性のある間取りを維持することが重要です。

❌ 特殊な設備や素材の多用

高価すぎる設備や、メンテナンスが困難な素材の使用は、維持費の増加や将来的な交換の困難さを招き、買い手の不安要素となります。
➡ 一般的な規格の設備や、入手しやすい素材を選ぶことが賢明です。

❌ 構造に関わるリスク

構造に関わるリノベーションは、専門家による厳格な調査と計画が不可欠です。構造上の問題を抱えた物件は、安全性の懸念から買い手が敬遠する可能性があります。
➡ 建物の構造を熟知した専門家に相談し、適切な工事を行うことが重要です。

❌ 時代を限定するデザイン

特定の年代に流行したデザインを過度に取り入れたリノベーションは、時代遅れになった際に魅力が低下する可能性があります。
➡ 時代に左右されない普遍的なデザインや、将来的な変更が容易な設計を選ぶことが望ましいです。


こうしたポイントを押さえたうえで、 リフォーム不動産深川studioが提唱する「したまちリノベ」では次のようなリノベを提案しています:

  • オーバーデザインをしない
  • 過剰な設備投資をしない
  • 「他人にも選ばれる家」をそのまま維持する

資産価値を守るとは、「自分の好き」だけでなく「未来の誰かの選択肢」にも開かれた住まいにすることだと考えています。

ただ“お気に入り”でインテリアを組むだけでは、後の買い手にとっては驚くほど不便な物件になりかねません。

たとえば…

  • 場所を固定前提とした配線や動線のデザイン
  • 大がかりな水回り移動と未整備の配管経路
  • 個性が強すぎて空間の用途が限定される内装

リフォーム不動産が提案する「したまちリノベ」では、

  • オーバーデザインをしない
  • 過剰な設備投資をしない
  • 「他人にも選ばれる家」をそのまま維持する という考え方を大切にしています。


■ 資産価値を見据えた「しなやかなリノベ」

※「しなやかなリノベ」とは、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応でき、将来的に他人からも選ばれやすい設計思想のこと。自分らしさと資産性、その両方を叶えるリノベーションを意味しています。

なぜ、資産としての道をたつ必要があるのか? それは、“住まいが一生モノではなくなる時代”が来ているからです。

  • 結婚や出産、子どもの独立といった家族構成の変化
  • 転勤や実家へのUターン、二拠点生活への転換
  • 健康状態の変化や高齢化による住み替え
  • 相続や終活に伴う住まいの整理 など

人生100年時代には、「いつかは家を手放す可能性がある」ことを前提にしておくほうが自然です。 だからこそ、「自分が住みやすい」だけでなく「他人にも選ばれる可能性を残す」設計が必要になります。

資産としての視点を持つことは、「いつかのもしも」に備えながら、 “今の暮らしを整えること”でもあるのです。

リノベーションを考えるうえで忘れてはいけないのが、「いずれ売却するかもしれない」という視点です。住宅ローンの返済中であっても、ライフスタイルの変化や相続、転勤など、売却や貸し出しが現実になることもあります。

そんなとき、「この物件なら欲しい」と思ってもらえる第三者目線を取り入れたリノベーションは、将来の“選択肢”を広げるという意味でも非常に重要です。

  • 特殊な造作や照明ではなく、可変性のある設計に
  • 過度に個性的な内装より、誰でも使いやすい仕立てに
  • 設備更新の履歴や書類なども残しておく

つまりリノベーションは、 「今の暮らしを整える手段」であると同時に、「将来の資産形成」でもあるということ。

「ずっと住める」と「他人にも選ばれる」を両立させる、そんなしなやかな設計思想が求められています。


■ リフォーム不動産が提唱する“したまちリノベ”は「売るまで」を見据えてご提案します

一般的なリノベーション会社は設計・デザインが主体ですが、 私たちは「中古マンションを買う」ところから「住み、いつか売る」までを見据えた、大きなビジョンでリノベーションを提案しています。

実際、最近ではこんなご相談が増えています:

「高齢の母と暮らしていたマンションを相続したけれど、設備も古くてどうしていいか分からない」

「ずっと住むつもりだったけれど、子どもが巣立って広すぎる家を持て余している」

「将来売ることも考えて、無理のない範囲でリノベしたい」

そんな方に対して、私たちは「今の暮らしを快適に整えながら、将来の売却や貸し出しも視野に入れた設計・改修」を一緒に考えていきます。

間取り・内装・配線・設備──。 どれも“好み”や“トレンド”だけで決めるのではなく、 「10年後も“この家いいね”と言ってもらえるだろうか?」という視点を大切にしています。

その人の一生の暮らしと住まいを見通しながら、

  • 無理をしすぎないこと
  • 選ばれやすい間取りに整えること
  • 将来も価値が残る設計にしておくこと を重視しています。

photo:Hiroki Kawata

■ 小さな家の可能性──「ちょうどよさ」が未来を守る

かつては「広い家=理想の暮らし」とされていましたが、今ではその価値観が大きく変わりつつあります。
共働き世帯や単身世帯の増加、生活コストの見直し、ミニマル志向の広がりなどを背景に、最近では、1LDK〜2LDKの50㎡前後といった“コンパクトな住まい”が見直されています。

また、昨今の住宅価格の高騰により、「無理なローンを組まずに、心地よく暮らせるサイズ感」を重視する動きが強まり、住まいに求める価値観そのものが変化しつつあります。

コンパクトな住まいのメリットとして、

  • 管理費・修繕費や光熱費も抑えられ、維持コストが軽い
  • 高齢者・DINKs・単身者の需要が安定している
  • 将来的なリセールや賃貸化の選択肢も残しやすい

「広くて豪華な家」よりも、「自分にちょうどいい家」を選ぶ時代。
リノベーションも、それに合わせて柔軟に変化できる設計が求められています。


次回は──https://f-kurashi.tokyo/shitamachi-renovation2/
🔜 「売れにくい中古マンションの特徴」や🔜 「買う前にチェックしたい間取り・管理・立地」
など、さらに実践的なテーマでお届けします。

暮らしを整え、未来の選択肢を広げるリノベを、これからも一緒に考えていきましょう。

【著者プロフィール】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役  リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
不動産業界歴38年。大手不動産会社の役員として主に売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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