ふたつの“深川”に出会って考えた、これからの暮らしの話
きっかけは、ただ名前が一緒だったことから。
東京の「深川」と、北海道の「深川市」。偶然のような出会いから始まった交流は、気がつけば私たちにとって、とても身近で、かけがえのないものになっていました。
これまでの連載では、それぞれの地を訪ねて、たくさんの出会いと発見がありました。まだ読んでいない方は、ぜひこちらからご覧ください。
- Vol.1「ふたつの深川、ひとつの想い。東京と北海道、「名前」がつなぐ出会いとこれから」
- Vol.2「まだ知らない“深川”に、会いに行く。名前に惹かれたご縁が、本当のつながりになる前に」
- Vol.3「広い空、美味しい空気、人の温かさ。五感でふれたもうひとつの深川訪問記」
- Vol.4「清澄白河で再びつながる“ふたつの深川”の想いとご縁」
そして今回、シリーズ最終章となるVol.5では、この交流の中で見えてきた「本当の豊かさ」や、「これからのつながり方」について、少しだけ未来のことも含めて綴ってみたいと思います。
共通点があると、人は一気に近くなる
初めて会った人同士なのに、話しはじめた途端に意気投合する、そんな経験、きっと誰しもありますよね。
年齢が同じだったり、出身地が一緒だったり、同じスポーツをしていたり、同じ趣味だったり。
たったひとつの共通点が、それまでの距離をぐっと一気に縮めてくれる。
今回の“ふたつの深川”の出会いも、まさにそんな感覚に近いものでした。
実際に私たちが北海道・深川市を訪れたときも、東京・深川に深川市の方々が来られたときも、まちの名前の共通点だけでなく、「まちを想う気持ち」という深いところで、心が通じ合う瞬間がたくさんあったのです。
「深川」の名前が、見えない絆を教えてくれた
北海道・深川市を訪れたとき、まず目に飛び込んできたのは、街のあちこちに掲げられた「深川」の文字でした。深川小学校、深川中学校、深川市役所、などなど……。東京から距離のある北海道の地に来たのに、まるで地名の中に、自分たちのルーツが混ざっているかのような、不思議な親近感がありました。
その感覚は、東京・深川に深川市の皆さんをお迎えしたときにも起こりました。清澄白河の街案内をしながら、「深川江戸資料館」や「深川第〇中学校」「深川〇〇」といった名前を目にするたびに、思わず「あっ、ここも“深川”なんだ!」と笑顔がこぼれる。言葉にせずとも、同じ名前に反応する姿を見て、なんだか心があたたかくなる瞬間がありました。
地名が同じというのは、単なる偶然かもしれません。
でも、だからこそ「名前」という共通点が、思っていた以上に大きな力を持っていたことに気づかされました。
私が初めて深川市役所に電話した時も、「東京江東区の“深川”から電話しています(笑)」という会話が始まりでした。
その言葉だけで、すっと心の扉が開く。“深川”というキーワードが、まるでパスワードのように、初対面でも深川の人たちの間に安心感を生み、会話を弾ませ、笑い合う関係を育んでいく。
見えない糸が、ふたつの“深川”をそっと結んでくれているようでした。
本当の「豊かさ」って何だろう?
東京で暮らしていると、どうしても「おしゃれなお店がOPENした」「家の資産価値が上がった」といった話題に意識が向きがちです。
もちろん、それも大切なこと。でも、深川市を訪れたときに感じたのは、人とのつながり、自然と共にある暮らし、食卓に並ぶ地元の恵み、そして、地域の人々の温かさ。そうした日常のひとつひとつが、じんわりと心を満たしてくれるという真の「豊かさ」でした。
本当の豊かさって、「どれだけ資産を持っているか」ではなく、「どれだけ充実した毎日を送っているか」なのかもしれません。
自分の暮らす場所を、心から好きになれること。
この先の未来も、このまちで暮らしていきたいと思えること。
家族と一緒に笑顔で過ごせること
そして、同じように感じる仲間がそばにいること。
私たちの会社が掲げる“豊かな暮らしをデザインする「くらしかた創造企業」”という理念も、まさにそうした価値観から生まれたものです。
目に見える豊かさだけではなく、暮らしの中にある“感じる豊かさ”を、これからも大切にしていきたいと思います。
「東京深川✖北海道深川市」妄想コラボ企画、どんどん膨らんでます!
今回のご縁をきっかけに、深川市ともっと面白いことができるんじゃないか… 深川市を訪問した仲間と共に、そんな“妄想”が、次々に浮かんできています。
たとえば、
- 深川市の食材を使ったメニューを、東京・深川の飲食店で提供
- 深川市×深川くらしのポップアップイベントを開催
- 深川市のお米や野菜を使ったマルシェを、東京深川の商店街などで開催
- 深川市で「東京深川の人気店」特集やワークショップイベントを開催
- お祭りや伝統文化をテーマにした交流ワークショップを開く
- インターンシップで、お互いの地域を行き来できるような“まちぐるみ留学”
- 家族ぐるみで参加できる農業体験
- 今年秋に初開催する音楽フェス「農道音楽祭-nouon-」の飲食ブースに東京深川から参加
…などなど、
どれも実現できるかは別としても、お互いのことを想いながら「こういうのいいよね」と話している時間そのものが、すでに”豊かな時間”になっています。
もし読者の皆さんにも「こんなコラボしてほしい!」というアイデアや妄想があれば、ぜひ教えてください。
私たちができる範囲でも、少しずつ形にしていけたらと思っています。
「民間の私たちだからこそ、フットワーク軽く自由にできること」。これからも、お互いに“深川のよき隣人”として、そんなチャレンジを一歩ずつ実現していけたら嬉しいです。
読者のみなさんへ
今回のシリーズ全てを読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
きっとこの先、誰もが自分の“まち”をもっと好きになったり、他の地域にも興味を持ったりすることがあると思います。
「住めば都」という言葉がありますが、それはただの慣れではなく、そこに暮らす中で、街の良さを見つけ出し、少しずつ愛着が育つ中で、それが自分の暮らしの風景になっていく、という意味なのかもしれません。
「豊かなくらし」は、決して誰かが用意してくれるものではなく、自分で見つけて、育てていくもの。
私たちの“深川くらし”も、そんな想いを共有しながら、これからも情報を発信し続けていきます。
そしていつか、北海道の深川市と東京・深川を結ぶ、いろんなコラボが実現したら…そのときは、ぜひあなたも遊びに来てくださいね!
◆あなたにとっての“深川”を、ぜひ聞かせてください。
今回のコラムシリーズを通して感じたのは、 “深川”という言葉には、人それぞれの想いや物語が宿っているということです。
東京・深川を暮らしの拠点にしている人 北海道・深川市にゆかりのある人 あるいは「深川って聞いたことあるな」という人も
この小さなきっかけが、それぞれの“まちへのまなざし”につながっていくなら、 こんなに嬉しいことはありません。
最後に:深川くらしの想いとともに
深川くらしを運営する株式会社トラストリーは、「くらし方創造企業」として、 この“ふたつの深川”との出会いから、大切なことをたくさん学びました。
家を買うとか、資産価値がどうだとか、それももちろん大事な視点です。 でもそれ以上に、「自分の暮らす場所を好きになる」こと、 そこに“誇り”や“未来への想像”を持てることが、 本当の“豊かさ”なんじゃないかと思っています。
これからも、「深川くらし」では、そんな想いを大切にしながら、 “まちと人”、“くらしと想い”をつなぐ発信を続けていきたいと思います。
文・構成:柴田 光治(株式会社トラストリー 代表取締役)
東京・江東区深川で「リフォーム不動産深川studio」と地域メディア「深川くらし」を運営。不動産の枠を超えて、地域の人やまちの魅力と向き合いながら、“豊かな暮らし”とは何かを日々考えている。今回の“ふたつの深川”のご縁も、大切なきっかけのひとつ。これからも、まちに寄り添い、人に寄り添う発信を続けていきたい。
【次につながるアイデア、募集中!】
今回の連載を通じて感じたこと、やってみたいこと、こんなこと一緒にできないかな?という“種”があれば、ぜひSNSや「深川くらし」までお寄せください。
共に考え、動き、つながりながら、未来の“深川”を育てていきましょう!
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