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コラム

20代で家を買うのは早すぎない。持ち家率が過去最高を更新する背景と、後悔しない購入のために知っておくこと

最近、深川くらしへの相談者の年齢層が明らかに変わってきました。

数年前まで多かった30代のご夫婦に加えて、20代の方——単身の方や、まだ結婚していないカップルからの相談が目に見えて増えています。話を聞いてみると、きっかけはさまざまです。SNSで不動産の話題を見た、友人が購入したと聞いた、YouTubeで資産形成の動画をよく見るようになった——。誰かに言われたというより、いろんな情報に触れるうちに「自分もそろそろ考えた方がいいかも」と感じて来てくれる方が多い印象です。

そういう方に、私はいつもこう言います。

「気になったタイミングで動き始めるのが、一番いいですよ」と。

今回は、20代の持ち家率が過去最高を更新している背景から、メリット・デメリット、そして「勢いで買ってしまわないための視点」まで、現場で感じていることを正直にお伝えしたいと思います。

20代の持ち家率が、過去最高を更新している。

なぜ今、20代が動いているのか

総務省の家計調査によると、2023年度の20代の持ち家率は35.2%で過去最高を記録。7年連続の上昇です。さらに2025年には、住宅価格の高騰が続くなかでも20代以下の持ち家率が再び最高値を更新したと報じられています(日本経済新聞、2026年4月6日付)。

「価格が高いのに、なぜ買うのか」。そう思う方もいるかもしれません。でも相談を受けていると、その理由はとてもシンプルで、合理的だと感じています。

持ち家率が上がっている背景

家賃・物価の上昇——賃料が上がり続けるなか、「払い続けても何も残らない」という感覚が若い世代に広まっている

価値観の変化——住宅ローンを「借金」ではなく「月額課金(サブスク)での所有」と捉えるZ世代ならではの感覚が広がっている

将来への危機感——「さらに値上がりする前に」という焦りが、行動を早めている

情報へのアクセス——SNSやYouTubeで不動産・資産形成の情報を日常的に取得しており、行動が早い

これらは「焦り」から来ているものもありますが、根底にある「お金の流れを自分でコントロールしたい」という意識は、とても健全だと私は感じています。

実は私自身も、30年以上前に20代で購入しています。当時は今ほど情報もなく、正直よくわからないまま動いた部分もありました。でもあの決断が、その後の人生の選択肢を広げてくれたと感じています。だからこそ、20代で相談に来てくれる方の背中を、自信を持って押せるのかもしれません。

20代で買うことのメリット

現場で見てきた経験から、20代での購入には明確なメリットがあると思っています。

📅 返済期間が長く取れる

35〜50年ローンを組めるので、月々の返済額を抑えられる。同じ物件でも、30代で組むより月々の負担が数万円変わることもある。

🏁 完済が早い

20代で買えば、50代でローンが終わることも。子どもの教育費がかかる時期には返済が落ち着き、老後を迎える頃には割安な住居費が見えてくる。

📈 資産が積み上がる

返済するごとに純資産が増えていく。賃貸は払い続けても何も残らないが、持ち家は将来の売却・賃貸という選択肢にもなる。

🔑 暮らしの自由度が上がる

リフォームも、ペットも、自分の判断でできる。「自分の空間」を育てていく感覚は、賃貸では得られないものがある。

20代で買うことのデメリットと、向き合い方

メリットだけを伝えるのは、プロとして正直ではないと思っています。デメリットも、きちんとお伝えしなければなりません。

デメリットと向き合い方
ライフスタイルが変わりやすい時期

転職・結婚・子どもなど、20代から30代は変化が多い。→ 売却・賃貸に出せる立地と管理状態の物件を選ぶことで、リスクを小さくできる。

収入が安定していないケースも

キャリアの途中で収入が変わる可能性がある。→ 月々の返済額は、現在の手取りの35%以内を目安に。無理な予算設定は禁物。

まとまった頭金・諸費用が必要

物件価格の5〜10%程度の諸費用がかかる。貯金がゼロのまま動くのはリスクが高い。→ FP相談で必要額を把握してから動くのが賢明。

修繕・管理費などの維持コスト

管理費・修繕積立金・固定資産税は毎年かかる。→ 購入前にランニングコストを含めた総支払い額を必ず確認する。(今後のインフレ懸念も考慮)

勢いで買う前に、立ち止まってほしい。

騙されないために、プロとして伝えたいこと

残念ながら、20代の購入熱を利用した悪質な営業が一部で横行しているのも事実です。「今すぐ決めないと売れます」「この物件は絶対に値上がりします」——こういった言葉には、特に注意してほしいと思っています。

私がお伝えしたいのは、以下の4点です。

後悔しない購入のための4つの視点
① 初回の案内で、その日に決めない

「今日中に決めないと」と急かされたら、その場で断っていい。良い物件の動きが早いのは事実だが、一拍置いてみることも重要。他で決まってしまった物件なら縁がなかったと思える余裕を持つ。

② 管理状態を必ず確認する

価格や外観だけで判断しない。管理組合の運営状況・修繕積立金の残高・大規模修繕の履歴は必ず確認する。ここが甘い物件は、後から大きな出費となり、リセールにも影響する。

③ 「絶対に値上がりする」という話は疑う

将来の価格を断言できる人はいない。資産性は「立地と管理の質」でしか語れない。根拠のない値上がり予測を前提にした購入は危険。

④ 信頼できる第三者に相談してから動く

物件を紹介した会社だけに相談するのではなく、FPや利害関係のないプロに意見を求める。「この物件は本当に自分に合っているか」を客観的に確認することが、大切な判断材料になる。

今後の見通し——20代にとって市場はどう動くか

正直に言うと、都心近くの不動産においては、価格が大きく下がる材料は今のところ見当たりません。

中東情勢の影響でナフサ(建築資材の原料)が不足し、新築コストはさらに上昇しています。新築供給の減少が中古への需要集中を生み、好立地・好管理の物件は引き続き底堅い動きが続いています。審査金利の引き上げで借入可能額が縮小しており、「今の自分が買える物件」は、1〜2年前よりも狭くなっているのが現実です。

一方で、過熱していた超高額帯の価格は少し落ち着いてきており、焦って飛びつかなければならない状況でもありません。市場が「健全化しつつある」今は、むしろ冷静に選べるタイミングでもあります。

20代にとって大切なのは、「今すぐ買う」ことよりも「今から動き始める」こと。まず自分の借入可能額を把握し、どんな物件が自分に合うかを整理する。その準備が整っている人が、良い物件が出たときに迷わず動けます。

私の現場感覚として

価格が大きく下がる材料は見当たらない。待てば下がるという期待は持ちにくい

超高額帯は少し落ち着いており、冷静に選ぶ時間が戻ってきている

審査金利が上がり、借入可能額が縮小している。自分の数字を早めに把握することが重要

「今すぐ買う」より「今から動き始める」。準備した人が、良い物件を手にできる

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単なる物件の紹介屋ではありません。

「なんとなく気になって来てみた」でも「友人が買ったので話だけ聞きたい」でも、
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物件を売り込む前に、あなたの状況をきちんと聞きます。

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この記事を書いた人
柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役

深川エリアを中心に不動産売買・リフォームに携わる。リフォーム不動産深川studioを運営し、現場で積み重ねてきた肌感覚と市況データをもとに、買い手目線の情報を発信している。

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