一昔前の物件探しと言えば、駅前にある不動産会社の店頭で図面を眺めたり、勇気を振り絞って不動産会社に入ってみたものの強面の営業マンと対峙して思うように自分の理想の条件を話せなかったり…笑
今の時代は、どこにいてもスマホで複数の不動産ポータルサイトを利用して、自分の好きな条件を入れて検索がかけられるので、とても便利な時代になりました。
掲載件数や画像も充実していて、周辺施設なども簡単に調べられるので、皆さん利用されるのもうなずけますよね。
便利なものは活用するべきなのですが、安易に物件の問い合わせをする前に心得ておくべき点があります。
「皆さんは家探しを検討し始めたら、最初に何をされますか?」
初めての購入にあたって、ポータルサイトでの物件探しはこんな感じかもしれません。
・お気に入りのポータルサイトを見つけて何となく物件を流し見してみる
・きれいな画像に妄想が止まらずわくわくする
・検索条件に自分の理想を入れてみる
・予算は今支払っている家賃を基準にして検索してみる
・何となく新しめの物件や理想の間取りを見てみる
・探しているうちにどうしたら見つけられるのか迷子になる
他にもいろいろあると思いますが、何から始めて良いのかわからないなりにも、見やすいポータルサイトを見ていると、綺麗な画像や見出しに多いキャッチーな言葉に心躍らされ楽しく検索ができると思います。
本格的に検討しようとしても、その先に行くにはどうしたらよいのかわからずに、気になる物件に勇気をもって問い合わせをされる方も多いのではと思います。
もちろんその探し方も決して間違いではいないのですが、初めて購入する人にとってはそれが時には非効率で、かえって遠回りになってしまう場合もあるので注意が必要です。
目次
■気軽に情報収集ができる一方で、なぜ注意が必要なのか
1.情報の正確性が判断できない
ポータルサイトに掲載されている情報だけで判断するのは難しいですよね。掲載している不動産会社の一番の目的は問い合わせをもらうことなので、物件のマイナス面や詳細な内容などはほとんど掲載されていません。おとり広告などは論外ですが、本当に知りたい情報は問い合わせをして実際に見に行ってみないと教えてもらえないことが多いです。
2.実際に購入できるのかの判断がつけられない
初めて購入する方にとって心配な点は、住宅ローンの条件です。実際に借りれるのか、いくら借りるのが妥当なのか、どのように返済していくのが良いのかなどの不安はなかなか解消できません。サイト上のローンシミュレーションを利用することもできますが、実際に借りれるのかは銀行に事前審査をしてみる必要があります。
3.問い合わせをしたあとが不安
賃貸と違って高額なので心配事の多い物件購入は、担当する営業マン選びも大事な要素です。ポータルサイトから問い合わせするのは「物件」が入り口となるので、どんな会社かどんな担当なのかは運次第です。
その後にしつこく連絡が来る可能性もあれば、ポータルサイトに掲載されている情報同様に良いことしか言ってもらえずに申し込みを煽られる担当にぶつかるケースもあるかも知れません。
このように、ポータルサイトは物件をただ検索するのには向いていますが、物件購入するまでにはいくつものハードルを越える必要があるので、万能ではありません。
■中古マンション購入における大事なポイントを3つ
1.実際に借りれる額と無理なく返せる資金計画を知ろう
ポータルサイト上でも返済シミュレーションを活用したり、ネット銀行の事前審査で何となく知ることもできるのですが、実際に長期に返済を行う住宅ローンを利用するにあたっては、もっと深く理解する必要性があります。
不動産会社によっては提携するファイナンシャルプランナーの無料相談を行っているケースもあるので、プロに相談しながら自分たちにとっての予算や返済方法を知っておくことが重要です。
2.理想の物件の優先順位付けをしておこう
人生のうちに何度とない物件購入ということで、理想を追い求めていくことも重要ですが、予算がある以上はいくつか妥協しなければならないのも現実です。物件を見ていく中で優先順位付けを行っていくことも重要なのです。
3.親身になってサポートしくれる会社(担当者)選びをしよう
初めての住宅購入においては、サポートしてくれる人の存在はもっとも重要と考えます。
特に中古マンションは、数も多く千差万別。物件ごとに気になるポイントも変わってくるので、物件選びの前に会社や担当者によって大きく変わってくることもあります。ポータルサイトで「物件」は検索できますが、自分に合う「担当者」を検索することはできません。
失敗しない物件購入のためにも、いきなり物件から問い合わせをするのではなく、まずは相談に親身になって応じてくれる先を見つけることが大事です。定期的にセミナーや無料相談会などを積極的に行っている会社もありますので、まずは相談からスタートして自分に合った担当者を見つけてみることをお勧めします。
その先にはきっと思い出に残る家探しが出来ていることと思います。
【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役、リフォーム不動産深川studio、深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年超。大手不動産会社在籍中に役員として、主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後数社の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
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