「中古+リノベって、ざっくり○○万円くらいかな?…と思っていたら、あとから思わぬ出費がかさんで焦った」 「物件選びに予算を振りすぎて、リノベにかけられるお金がほとんど残らなかった…」
実はこれ、リノベーションのご相談に来られる方の“あるある”な体験談なんです。
不動産価格が高騰する中で、トータル予算とリノベ費用とのバランスを考えると悩みがつきません。
この第四話では、そうした“後悔”を未然に防ぐための、
- どこまでがリノベ費用?
- 住宅ローンでリノベ費用までカバーできるって本当?
- 月々の返済から逆算した「無理のない予算」ってどう考えるの?
といった「お金のリアル」を、プロの視点からお届けします。
どれくらいの費用がかかるの?
中古マンションを購入し、フルリノベーションを行う場合、費用は大きく3つに分かれます。
- ① 物件の購入費用(物件価格、仲介手数料、登記費用など)
- ② リノベーション費用(設計料、工事費、諸経費など)
- ③ 諸費用(ローン手数料、火災保険、引っ越し費用など)
💡 予算5,000万円の想定ケース
項目 | 目安金額 |
---|---|
中古物件価格 | 約3,700〜4,000万円 |
リノベーション費用 | 約800〜1,200万円 |
諸費用 | 約200〜300万円 |
合計 | 約5,000万円前後 |
物件価格の約20〜30%前後をリノベーションに充てるケースが多く、バランスのよい予算配分といえます。
🛠️ 築古マンションならではの“見えないコスト”に注意
特に築30年以上の物件では、アスベストの含有や、老朽化した給排水管の交換といった、通常のリノベでは想定しづらい追加費用が発生することがあります。
とくに注意が必要なのが、キッチンや水まわりの床下。
たとえば──
・キッチンの床下からアスベストを含む建材(断熱材や下地材など)が見つかり、専門業者による除去が必要になったケース
・給水・排水管が老朽化し、全体的な交換工事が必要になったケース
これらは解体後に初めてわかることも多く、想定外の出費につながる要注意ポイントです。
このような事態に備えて、当初のリノベ予算に“10〜15%の余裕”を持たせておくことが、築古物件で後悔しないコツです。
📊 予算配分のイメージ
「中古+リノベを検討するけれど、どこにどれだけお金をかけたらいいのか分からない」——そんな方のために、よくある予算配分の一例をご紹介します。
たとえば総予算5,000万円であれば、物件に約3,800万円、リノベに1,000万円、諸費用に200万円といった配分が現実的。実際、私たちがサポートしてきたお客様の多くもこのバランスで無理のない住まいづくりを実現されています。
「全額を物件価格に使い切るのではなく、あとから暮らしを整える“余白”を残す」こと。
この“余白”とは、物件価格にすべてを使い切らず、リノベ費用や思わぬ追加工事、ライフスタイルの変化に備えて、あらかじめ予算内に残しておく“金銭的なゆとり”のこと。こうした余裕があることで、計画変更や仕様調整にも落ち着いて対応でき、結果として満足度の高い住まいを実現しやすくなります。
見た目の立地や広さだけで物件を決めてしまう前に、「その後の暮らしを整える予算」までセットで考えることが、後悔しない中古+リノベの第一歩です。
リノベ費用は住宅ローンで借りられる?
はい、借りられます。
最近では、「物件購入+リノベ費用」をまとめて借りられる住宅ローン一体型が主流です。
🏦 一体型ローン vs リフォームローン
項目 | 一体型ローン | リフォームローン |
金利 | 低め(0.5〜1.5%) | 高め(2〜5%) |
返済期間 | 長期(最長35年) | 短期(5〜15年) |
借入金額の上限 | 高め(リノベ費用込み) | 低め(数百万円) |
手続き | やや複雑(事前計画要) | 比較的簡易 |
住宅ローンの中にリノベ費用も含めることで、月々の返済を抑えながら理想の暮らしを実現することが可能になります。
無理のない予算計画、どう考える?
💬 実際にFPに相談してみたリアルな声
「自分たちの予算内で、どんな家が持てるのか?」 「子どもの教育費や老後の資金と、どう両立させればいい?」
そんな疑問を持ったご夫婦が、実際にFP(ファイナンシャルプランナー)に相談したインタビューをご紹介しています。
👉 FPに相談して分かった、暮らしと住まいとお金の“ちょうどいい”バランス
記事内では、
- 住宅ローンと家計のバランスの考え方
- 「いくら借りられるか」ではなく「いくら返せるか」への視点転換 など、
これから住まい選びを始める方に役立つリアルな声が満載です。
✅ 3ステップで考える予算
- 今の家賃・支出を見直す
- 月々の返済額から逆算する
→ 例:月13万円返済 → 年156万円 → 35年で約5,400万円(概算) - 自己資金が少なくても大丈夫
→ 頭金ゼロでも一体型ローンなら対応可能な場合も
予算内で満足する「しなやかなリノベ」
※なお、家具・カーテン・照明などのインテリア費用は、リノベ費用とは別途かかることが多く、総額で50〜150万円ほどを目安にする方が多いです。
住み始めてからの“買い足し出費”を防ぐためにも、あらかじめ「暮らしの仕上げ予算」としてインテリア費を別枠で見積もっておくのがおすすめです。
「お金があればもっと理想に近づけるのに…」
そんなふうに思うのは、ごく自然な感情です。特にSNSや雑誌で素敵な施工例を見ると、つい「もっと広く」「もっと高性能に」と思ってしまうもの。
でも実は、“限られた予算の中でこそ見えてくる“ちょうどよさ”があります。
“足るを知る”設計とは、自分たちの暮らしに必要なことと、そうでないことを見極め、予算に合わせてメリハリをつけること。
無理に盛り込みすぎず、むしろ「余白を残すこと」が、暮らしの快適さにつながることも多いのです。
だからこそ、私たちが提案するのは「背伸びしない、でも妥協も最小限に」——
“今の暮らしにちょうどよく、未来にも選ばれる”しなやかなリノベです。
リフォーム不動産が提案する「したまちリノベ」のポイント
- オーバーデザインを避ける
- 高額設備よりも空間全体の質を重視
- 将来の売却・賃貸も見据えた設計
無理をしない。背伸びもしすぎない。
「今ちょうどいい」と「将来も選ばれる」の両立を、私たちは大切にしています。
まずは“お金の不安”を、整理することから
家づくりやリノベの相談を始めると、
「いくらかかるのか分からない」
「本当にローン通るのか不安」
という声をたくさん聞きます。
でも、実際にご相談された方からは──
「予算の考え方がスッと整理できた」
「一体型ローンを教えてもらえて、気持ちが軽くなった」
「今の自分でも始められると分かって安心した」
そんな声が多く届いています。
📬 まずは、気軽に話してみませんか?
✅ ご相談は無料&無理な営業なし
✅ 予算シミュレーション・ローン事前確認も対応
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🔜 次回予告|リノベ後の暮らしと、将来的な資産価値の考え方
シリーズ最終話では、住んでからのリアルな暮らしと、将来の「手放す」「貸す」などの選択肢まで見据えた考え方をお届けします。
【著者プロフィール】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役 リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
不動産業界歴38年。大手不動産会社の役員として主に売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
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