「母が住んでいたマンションを相続したけど、どうしたらいいのか…」
最近、そんな相談を受けることが増えています。
都心のマンション価格が高騰する一方で、親世代から受け継いだ家や部屋がある方は、実は少なくありません。
でも、そこに住む予定がないと、「売るしかないのかな」「でも手放すのは寂しい」と気持ちは揺れがちです。
今回は、“相続した家との向き合い方”について、実際の相談事例を交えながらお話ししてみたいと思います。
「親から受け継いだ家、どうすればいい?」
実際の相談で多いのは、こんな状況です。
・家族が亡くなり、空き家状態になっている
・築年数が古く、設備もそのまま
・自分では住まないけれど、思い入れがあってなかなか決断できない
「売るのは簡単だけど、それでいいのか…」
「でも、このまま放置するのも不安…」
感情と現実の狭間で、立ち止まってしまう方が多いんです。
「売る」だけが正解ではない。“住み継ぐ”という選択肢
相続の場面では、どうしても「すぐ売らなきゃ」「どうにかしなきゃ」と焦ってしまいがちです。
でも本当は、一度立ち止まって、“どんな可能性があるか”を整理してみることが大切です。
たとえば──
・自分たちがリフォームして住む
・子世代が使うことを想定して、最低限の手直しをして保有する
・賃貸に出して収益化する
・売却するが、その前に室内を整えて価値を高める
・買い替えて、自分たちの暮らしに合う住まいへ移行する
“売る or 何もしない”の2択だけじゃなく、
その間にある“ちょうどいい選択肢”がたくさんあることを知ってほしいと思います。
思い出の詰まった住まいだから、悩んで当然です
家というのは、単なる“資産”ではなく、家族の時間が刻まれた場所です。
小さな傷も、壁に残ったメモの跡も、かつての暮らしの記憶。
だからこそ、簡単に手放せないし、悩んで当然だと思います。
そんなお気持ちを無視して、「とりあえず売りましょう」とは僕たちは言いません。
“どうすればいいのか分からない”という気持ちそのものに、まず耳を傾けたいと思っています。
実例:60代女性・母のマンションを相続したケース
最近ご相談を受けたのは、60代の女性の方でした。
「母が暮らしていたマンションを相続したけれど、築40年以上で、リノベするお金もあまりない。
自分も高齢になってきたし、このまま持っていてもどうすればいいのか分からなくて…」
そんな状態でしたが、私たちは次のような選択肢を一緒に整理しました。
・物件の資産価値や修繕状況を調査
・リフォーム費用を最小限に抑える提案
・もし将来的に住まないなら、「買い替え+小規模リフォーム」も選択肢に
最終的には「母が残してくれた大事な資産を売却し、その資金で、お友達が多く両親のお墓に近い西側エリアにお住み替え」という形で整理されました。
時間をかけて、感情にも丁寧に寄り添いながら進められたのが印象的でした。
したまちリノベが考える、“受け継ぐ家”との向き合い方
家は、ただの「不動産」ではありません。
そこに家族の歴史や思い出が詰まっているからこそ、軽く扱えない。
でも同時に、感情だけで持ち続けると、大きなコストや管理の負担がのしかかってきます。
だからこそ、“感情”と“資金”と“将来性”を冷静に整理することが必要なんです。
私たちしたまちリノベは、相続した家をどう活かせるか、感情にもしっかり寄り添いながら一緒に考えます。
それは、“不動産の専門家”というより、“人生の転機の伴走者”として、最適な提案をしたいという思いがあるからです。
まとめ:未来につながる“住まいの形”を、一緒に考えたい
受け継いだ家には、物語がある。
それをどう未来に繋いでいくかは、「売る」でも「住む」でも「貸す」でもいい。
大切なのは、「自分たちの今」に合う形で、無理のない選択をしていくことです。
著者紹介
柴田 光治
株式会社トラストリー代表取締役/リフォーム不動産深川studio代表
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター
「不動産は、暮らしの器であり、家族の歴史でもある」。
そんな思いで、相続や住み替えの悩みに寄り添い続けています。
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