2. 査定金額が下取り価格になっているかも知れない
下取り価格というと、どういったイメージをお持ちでしょうか?
車を買い替えられた経験がある方だと「良い価格で下取ってもらえたんだよ。」なんて、いう話も聞いたことがあったり、手間もかからずスムーズに売却できて、メリットだらけという印象ではないでしょうか?
一口に不動産価格の査定と言っても、依頼者が求めるものによって、様々な査定があると私はお話しています。その前提条件もなしに、ただの査定価格を掲示してくる不動産業者は、どこも同じです。
まず媒介契約の締結はされないでおくのが懸命だと思います。その中でも最も悪どいケースというのが、その査定価格自体が下取り価格になっているケースなのです。
実は、中古マンション流通の世界では、下取り価格=市場価格の2~3割安というのが一般的。もちろん下取りをおすすめするメリットもあり、お客様のご事情によっては下取りをお勧めすることもあるのですが、事情も考えずに、もしくはその前提条件も伝えずに、査定価格として下取り価格を伝える業者も珍しくありません。
そういった事もあるのか、とまずは知っていただくこと、その上で、知識を身につけることから売却活動を始めていただきたいと思っています。
3. 査定価格が現在の市場価格ではなく、過去の市場価格になっているかも知れない
不動産査定の手法には3種類あるというのはご存知でしょうか?
説明をすると、①取引事例比較法、②原価法、③収益還元法、という3つの手法があるのですが、居住用のマンションの場合は①の取引事例比較法が用いられることがほとんどなんです。
ただ、取引事例比較法での査定を行うにはいくつもの注意点があります。適切な比較対象の取引事例の選定ができているか、選定した取引事例を最近の市場動向に補正できているか、最新の地域の特性を考慮できているか、などが注意点として挙げられます。これらの注意点を抑えられていないと、同じマンション内の過去の取引成約事例や近隣事例をもとにしただけの、ただの予想価格に過ぎない査定となってしまいかねません。
上記の注意点を抑えるには、インターネット上にある情報だけではなく、地域の不動産情報について、生きた情報を持っているエージェントに相談することが重要です。
4. 買い替えに適した売却方法になっていないかも知れない
不動産の売却を伴う手続きで、買い替えほど営業マンの手腕を問われるものはないと断言します。
その理由は、1円でも高く売りたい売主と、1円でも安く買いたい買主の、その両方の仕事を行うにあたって、どうしても、早く簡単に営業数字にしていきたいという営業マンの腹の内が見え隠れしてしまうからに他ありません。
どういう意味かというと、買い替えのご相談の多くが現状の自宅の不満からくる買い替え希望だとしたときに、どうしても理想の物件探しで時間のかかる購入の仕事より、既に所有している自宅を売ってしまうことのほうが手っ取り早いというのが実際にはあるからです。
また、先に自宅の売却を決めてしまうことによって、次の家を見つけなければならないという気持ちから、購入先の物件も早くに決めていただけるという効果もあるわけですから、こんなに美味しい話はないという訳です。
とはいえ、果たして本当にそれがお客様にとって良い提案かは、事情によって異なると思っています。今では後売りといって、住宅ローンをお持ちでも、売却は後から可能というような商品も増えてきています。それ以外にも、購入先でもしリノベーションを行いたいとなった場合には、より売却のタイミングを見計らって計画をしないと、そもそも成り立たないといった事にもなりかねません。
住み替えたいとなった場合こそ、冷静になって、その相談先から吟味する必要があると言えるでしょう。
5. 囲い込みをされているかも知れない
”囲い込み”という言葉を聞いたことがありますか?
囲い込みというのは、媒介契約でお客様よりお預かりした売却不動産を、他不動産会社へは紹介しにくくすることで、自社のお客様に優先してご案内することです。
その程度に差こそありますが、悪質な場合には、お客様の売却価格を毀損するようなケースも未だ多く見られます。
実際に囲い込みが行われると、内見希望の問い合わせが激減し、本来であればスムーズに売却が叶えられたにも関わらず、成約までに時間がかかったあげく、希望の価格から値下げも行ってしまったというような結末も現実のものとなりかねません。
軽度なものでも、物件詳細や詳細資料が他不動産会社に共有されず、紹介されにくくなるなど、大小こそあれ、やはり機会損失には繋がっていきます。
そうならないためにも、お客様自身が囲い込みという問題自体をよくよく理解し、信頼できる担当営業マンと良好な関係を築くことが不動産売却の成功にも何よりも重要です。
前回の記事(「不動産売買契約の「専属専任」「専任」「一般」の違いとメリット・デメリット」)で媒介契約における専任・専属専任契約時に「囲い込み」による不利益が生じる可能性について触れました。今回は、これまでにメディアなどでも取り上げられたことのある「両手仲介」や「囲い込み」という不動産業界の商習慣が、...
まとめ
いかがだったでしょうか?
上記の内容は全て実際に大手不動産会社にて行われてきたことで、大手不動産会社特有の転勤や異動、ノルマ、決算期・月末の数字の追い込み、などがあるためには仕方のないことのように感じます。
それでも、タイミングよく希望の買い手が見つかったり、担当との相性もあり、大手不動産会社で良かったと思われることもあるかと思いますし、それはそれで素晴らしいことです。
しかし現実にこうした問題がある以上は、ぜひあなたの人生に寄り添ってくれて、査定価格の背景についても説明してくれて、地域の不動産情報についても詳しく、買い替えの相談にも売り急がせず相談に乗ってくれ、囲い込みも行わないような地域密着系の不動産会社にも相談をしてもらいたいと切に願います。
もちろん「リフォーム不動産 深川Studio」では、大手不動産会社出身のスタッフが、不動産の購入・リフォームに限らず、不動産の売却についてもご相談を随時受け付けしております。
一人でも多くの方が、大手不動産会社との相見積もりのご相談を通じて、納得できる不動産売却ができるよう、地域の提携司法書士や税理士と力を合わせて、力強くサポートさせていただきます。
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【著者プロフィール】
谷口正悟(通称:ぐっち)
株式会社トラストリー
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 マネージャー
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー(HLA)
新卒で大手マンションデベロッパーである大京に入社。東京、横浜、大阪、京都、兵庫の新築マンション分譲に携わった後、不動産売買仲介へと転身し、株式会社ツクルバでcowcamoの営業統括マネージャーとして都心中古リノベマンションに関わる。その後、地元密着型の不動産コンサルをてがける柴田と出会い、マネージャーとして参画。自身でも3度の中古マンション購入と10度の引っ越しを経験したことから、お客様への分かりやすく丁寧な提案を得意とする。
清澄白河や森下、門前仲町をはじめとする深川エリアに特化した不動産会社、株式会社トラストリー。
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