まだまだ日本人には根強い人気の新築マンションですが、昨今では物件数も豊富で割安に購入できる中古マンションの人気が高まっています。
新築マンションと比較すると、立派なモデルルームや立派なパンフレットは基本的にない為、どんなところに気を付ければ良いのかを見ていきましょう。
目次
中古マンションの探し方の“コツ”とは
まずはその前に、私たちが確認したいのは、「なぜ買うのか」です。
「買う」メリットや動機が弱いうちに物件をいくら探しても、なかなか踏ん切りがつかないものです。
俗に言う「100点満点」の物件は存在しないため、動機が弱いうちに物件を探しても時間ばかりが過ぎてしまいますので、今一度「なぜ買うのか」と「いつ買うのか」を考えてみましょう。
もちろん不動産会社で物件探しの前にアドバイスを求めるのも良いでしょう。
その段階で、物件ばかりを売り込んでくる営業マンには要注意です。
はっきり言えば、そんな担当者からは買わないほうが賢明です。
物件選びと同時に、仲介会社や担当者選びも大事な要素です。
今回は物件選びについて大事なポイントをお伝えします。
1. インターネットを使って探す
TVCMなんかでもよくご存知の大手ポータルサイトなどで情報を探す方が多いかと思います。
いろんな条件で絞り込みも出来るので、新築マンション同様、売買物件の検索サイトに自分の希望を入力して検索します。
サイトによってまちまちですが、新築マンションよりも豊富な物件数があるので、細かな希望条件で絞り込めるので便利です。
中古マンション探しのコツは、こまめに情報をチェックすること。
新築マンションの場合は、それほど情報に変化はありませんが、中古マンションの場合は、新着物件が掲載される頻度が多いため、自分の希望に合う物件を見逃さないためにも、中古マンションを検討する際には、スマホなどでもまめにチェックすることが大事です。
2. 不動産会社で探す場合のコツ
インターネットが普及する前は、住みたいエリアの駅前の不動産屋さんに直接行って話をするのがごくごく普通の光景でしたが、今はネットで事前に調べて問い合わせをするケースがほとんどです。
事前に購入したい物件の条件を電話もしくはメールで伝えておくと良いでしょう。
2-1. 不動産会社の見極め方は
購入したいエリアが広く、定まっていない方は、何店舗もあるような大手仲介会社に相談するのも良いでしょう。
ただし、他のエリアの情報はそもそも強いわけではないので、ある程度のエリアは決めてから行くのがベストです。
基本的に大手だから、中小だからと取り扱える物件の情報に大きな差はありません。
ある程度購入するエリアが決まっていれば、その地域に密着してる地元業者に相談した方が良いケースもあります。
特に大手仲介会社の中には、お客様目線で無く、未だに自分の会社で受けている物件を優先してご紹介するケースが見受けられます。
担当者次第の部分もあるので、口コミも参考にしながら、自分に合う担当者を探すことも大事です。
中古マンションを検討するときに大事なこと
インターネットや不動産会社で希望に合いそうな中古マンションの候補が見つかったら、次のポイントを中心にしっかりチェックするようにしましょう。
3. 周辺環境について
毎日生活する家の周辺に、どのようなものがあるかを知っておくことも大切です。
ここでは、駅からの近さ以外に確認しておきたいポイントを紹介します。
3-1. 周辺の安全性
駅からの距離が許容範囲だったとしても、人気もなく歩道もない、狭い路地や街灯がない道を通る必要がある場合、特に小さなお子様や女性のいるご家庭にとっては安全性が不安です。
できれば実際に通勤時間や日没の時間帯に歩いてみて、チェックしてみることをおすすめします。
3-2. 生活に必要な施設や学校関係
やはり生活するうえで欠かせない、スーパーやドラッグストア、医療機関など、そこに生活するイメージを想像して問題が無いかを確認しましょう。
お子様がいる場合には、子どもが通うことになる施設が近くにあるかどうかの確認も大事です。
特に、保育園への入園を希望している場合は、自治体によって待機児童の状況にかなり差があるため、事前に役所に問合せて、入園できそうな保育園が近くにあるかどうか確認しておきましょう。
ただし、学校は数年の問題なので、あまりそこにとらわれ過ぎるのも良くありません。
優先順位をつけて柔軟に検討することも大事です。
4. マンションの管理状況について
昔からマンションは「管理を買え。」というくらい、今後の資産性や居住性を考えると重要な要素です。
中古マンションの場合は新築マンションの購入と違って、実際に現地を確認したり、書類を確認することにより、マンション内の管理状況や利用状況をチェックすることが出来るので、より安心です。
4-1. 管理状況の見極め方
管理が行き届いていないマンションの場合は、チラシやゴミが散乱していたり、自転車が乱雑に置かれていたりと、雰囲気でわかる場合もあります。
また、今までの修繕履歴や修繕積立金の総額などを管理会社から取り寄せてもらうことも出来るので不動産会社に聞いてみるとよいでしょう。
5. マンションの室内状況について
市場には、リノベーション済で売られていたり、空室の状況で販売している物件がある一方、中古マンションの場合は、内見の際にまだ現在の所有者が居住中のことも多いです。
居住中の場合は、そこに住んでいる方のお話を伺えるケースもありますので、参考にしてみると良いでしょう。
また、ものが置いてあると実際の広さよりも狭く見えるため、そのあたりも加味した上で冷静に広さについて判断することが重要です。
また、リフォームが必要なケースもありますのでその分の予算も考慮して検討することも大事。
リフォームにも強い不動産会社を選ぶとスムーズな交渉が可能です。
6. 設備について
築年数が経過している中古マンションは、室内設備にメンテナンスが必要になる場合があります。
特にガスコンロまたはIHコンロ、水回り、床暖房などの設備については、直近でいつメンテナンスや修繕をしたのか履歴を確認するとよいでしょう。
エアコンについては備え付けではなく、現所有者の所有物である可能性が高いので、その点も確認しておく必要があります。
中古マンションの場合は、新築当初から何度か取り換えている設備と、そのまま使用している設備があるため、そのあたりを明確に確認しておくことで購入後のトラブルを防止できるでしょう。
7. 中古マンション探しに失敗しないために
中古マンションは新築マンションと違い、あらゆる設備が中古であるということを忘れてはいけません。
そのため、現状有姿での引渡しが条件になるケースが多いので、室内の状況もさることながら、マンション全体の管理状況や利用状況、メンテナンス履歴などをもれなく確認することがとても重要です。
ただし、中古マンションには、室内がリノベーション済みで販売されている物件も多く、売主が不動産会社の場合には、保証書を付けている物件や家具付きで販売されている物件などもあるので、担当者に相談してみましょう。
※ 最後に大事な3つのポイント
◇自分たちにあった不動産会社や担当者選びを行う。
◇マンションの管理状況や利用状況を実際に現地で確認し、不動産屋任せにしない。
◇リフォームや地元情報に強い不動産会社を選ぶとスムーズ
【書いた人】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio 代表|深川くらし相談所 所長
宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、公認 不動産コンサルティングマスター
一般社団法人不動産エージェント協会 既存住宅流通活性化副委員長
不動産業界歴35年以上。一部上場不動産会社在籍中に執行役員として売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。
50代で今の会社を立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。自らも築20年の自宅マンションをリノベーションした経験を持つ。