はじめに:「高値掴みしたくない」という心理
「今、都内のマンション価格って高すぎませんか?」
「このタイミングで買って、後で損したくない」
「もう少し様子を見て、相場が落ち着いてから考えたい」
中古マンションをお探しの方から、このような言葉をよく耳にします。確かに、都内の中古マンション価格はここ数年で確実に上昇しています。
「今が高値のピークでは?」と不安になる気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、ちょっと立ち止まって考えてみてください。その「今買うのは損かもしれない」という判断は、本当に合理的な根拠に基づいているでしょうか?
私は、バブル崩壊も、リーマンショックも、東日本大震災も経験してきました。不動産市場の浮き沈みを、長年にわたって見てきました。
だからこそ、今購入を検討されている皆さんに伝えたいことがあります。特に40代以上の方は、バブル崩壊後の「失われた30年」を経験し、「物の価格は上がらない」「様子を見れば安くなることも」「損をしないことが一番大切」という感覚が強く染み付いているはずです。親世代からも「高値掴みだけはするな」と教わってきたのではないでしょうか。
しかし、現在はインフレに突入し、時代は大きく変わろうとしています。今回は、「高値掴み」への恐怖がもたらす機会損失と、インフレ時代の正しい判断基準について、私たちの経験も交えながらお伝えします。
デフレ脳とは何か? 30年のデフレが生んだ思考パターン
バブル崩壊後、日本は約30年にわたるデフレ経済を経験してきました。特に40代以上の方は、社会人になってからずっと、デフレの時代を生きてきたはずです。
「価格は上がらない」ことが、あまりにも当たり前すぎて、それが永遠に続くと無意識に思い込んでいるのではないでしょうか。
バブル崩壊の悲劇を目の当たりにした世代は、高値で不動産を購入した人たちが、その後何十年も含み損を抱え続ける姿を見てきました。だからこそ、こう考えるようになりました。
「高値掴みだけはするな」
「不動産は下がるもの。慎重に慎重を重ねなさい」
「借金は悪いものだから、できるだけしないように」
「貯金することが大切。コツコツ貯めなさい」
デフレ時代においては、これらの考え方は正しいものでした。不動産価格が下がり続け、お金の価値が上がり続ける時代には、慎重に様子を見て、現金を持っていることが最も賢い選択だったからです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。30年間のデフレ経験は、私たちの思考回路に深く刻み込まれています。「価格は上がらない」「様子を見れば安くなる」という前提が、あまりにも強固になりすぎているのです。
これが「デフレ脳」です。その特徴は、「損をしたくない」という強い防衛本能、「価格は下がるもの」という無意識の前提、「高値掴み」への過度な恐怖、「完璧なタイミング」を待ち続ける思考です。
興味深いのは、都内の中古マンション価格が実際に上昇し続けているという現実を知っていながら、それでも「今が高値なのでは?」「もう少し様子を見よう」と判断してしまう心理です。
価格が上がっている現実を見ながらも、「今買ったら損をする」という恐怖が先に立ってしまう。30年間のデフレ経験を持つ世代にとって、これは無理もないことかもしれません。
時代は変わった。 私たちが見てきた市場と、これからの市場。
私は長年、不動産業界に携わってきました。バブルの狂騒も、その崩壊も、リーマンショックの混乱も、東日本大震災の衝撃も、すべて経験してきました。
そして今、明確に感じています。時代が大きく変わろうとしていることを。
2024年、日銀はマイナス金利政策を解除しました。これは単なる金融政策の変更ではありません。日本経済が長いデフレから脱却し、新しいフェーズに入ったことを意味します。
現在、国の政策は明確に「物価上昇」と「賃金上昇」を目指す方向に転換しています。企業に賃上げを要請し、物価が適度に上昇する経済環境を作ろうとしているのです。そして、経済が正常化していく過程では、金利も段階的に上昇していくことが想定されています。
都内の中古マンション価格が上昇し続けているのは、この経済環境の変化を反映しています。建築資材の高騰、人件費の上昇、そして全体的な物価上昇が、不動産価格を押し上げているのです。
「今が高値なのでは?」という不安は理解できます。しかし、私たちの経験から言えることがあります。インフレ時代においては、「今年が高値」ではなく、「来年はもっと高い」「再来年はさらに高い」という可能性の方があるのです。
デフレ時代の常識は、デフレ時代には正しかった。でも、時代は変わりました。30年間のデフレ経験が染み付いている世代にとっては信じがたいかもしれませんが、これからの経済環境は、過去の30年とは違うものになる可能性が高いのです。

インフレ時代の「1,000万円」は、どう変わっていくのか
デフレ時代、1,000万円の現金は時間が経つほど価値が上がりました。物価が下がる=同じ1,000万円でより多くのモノが買えるようになるからです。だから「様子を見て、現金で持っていた方が得」という判断は正しかったのです。
しかし、インフレ時代には逆のことが起こります。仮に年2%のインフレが続いたとしましょう。今日1,000万円で買えるモノは、10年後には約1,220万円出さないと買えなくなります。20年後なら約1,490万円、30年後なら約1,810万円必要になります。同じ1,000万円でも、時間が経つほど買えるモノが減っていくのです。
具体例で考えてみましょう。今5,000万円の物件を「高値かもしれない」と見送り、1年間様子を見たとします。その間に頑張って100万円貯金できたとしましょう。しかし1年後、物価上昇の影響でその物件は5,300万円になっていました。手元の資金は100万円増えましたが、物件価格は300万円上がっています。実質的には200万円分、購入から遠ざかったことになります。
さらに重要なのは、「借金」に対する考え方の転換です。特に40代以上の方にとって、借金は「悪」です。バブル崩壊後の苦しみを見てきた世代だからこそ、そう感じるのは当然です。
しかし、インフレ時代において、固定金利や低金利で借りたお金は、時間が経つほど実質的な負担が軽くなります。なぜなら、物価と賃金が上昇していく中で、返済額は変わらないからです。月10万円のローン返済が「重い」と感じる年収500万円の人が、10年後に賃金上昇で年収700万円になったとしても、返済額は月10万円のまま。実質的な負担は軽くなっているわけです。
デフレ時代の「借金は悪」「高値掴みするな」という常識は、デフレ時代には正しかった。しかしインフレ時代には、低金利で借りられる今、資産性の高い物件を適正な借入額で購入することが、むしろ合理的な資産形成の手段になり得るのです。
待つことのコスト 家賃・金利上昇・物件価格
「高値掴みしたくない」と様子を見ている間も、家賃は支払い続けます。例えば深川エリアで月15万円の賃貸に住んでいる場合、3年間様子を見れば540万円以上もの家賃や更新料などを支払うことになります。この金額は、購入後であれば住宅ローンの元本返済に充てられ、自分の資産として積み上がっていく金額です。
金利も上昇リスクがあります。現在、変動金利は0.5%台〜1.0%台という歴史的な低水準です。仮に5,000万円を金利0.5%で借りた場合の月々の返済額は約13万円ですが、もし1年後に金利が1.0%に上昇していた場合、月々の返済額は約14.1万円になります。35年間では約470万円もの差が生まれるのです。
「今が高値かもしれない」と考えて1年様子を見た結果、物件価格は300万円上がり、さらに金利上昇で総返済額が470万円増えてしまったら?「高値掴みを避けよう」として様子を見た結果、実質的にはもっと高い買い物をすることになる。これが、インフレ時代における「タイミングを計る」ことのリスクなのです。
私たちはリーマンショックも経験しています。あの時は確かに、様子を見た人が正解でした。しかし今回は違います。リーマンショックは金融危機、つまり信用収縮による不動産価格の急落でした。しかし今起きているのは、構造的な物価上昇による価格上昇です。性質が全く異なるのです。
深川エリアの現実 「これから育つ街」の資産性
私共の拠点のある江東区・深川エリアは、門前仲町、清澄白河、森下、木場といった個性豊かな街を擁し、都心へのアクセスの良さと下町情緒が共存する魅力的なエリアです。近年は清澄白河を中心にカフェ文化が花開き、若い世代にも人気が高まっています。
長年この業界に携わってきた私たちから見て、深川は非常に魅力的なエリアです。「高値掴み」を避けるために本当に重要なのは、「いつ買うか」のタイミングではなく、「何を買うか」という選択です。資産性の高い物件を選べば、たとえ今の価格が高く感じられても、長期的には価値を保ち、場合によってはさらに上昇する可能性があります。
深川エリアの資産性が注目される理由は、周辺を含めた開発計画と開発の余地があること、若い世代に人気があること、緑も多く子育て環境が良いこと、まだ成熟しきれていない街だからこその将来性、そして都心アクセスと下町情緒の両立です。
深川周辺では、倉庫跡地などの再開発や新しい商業施設の誕生など、街の表情が年々変化しています。成熟しきった街は、これ以上の大きな変化が期待できません。しかし深川には、まだまだ開発の余地があります。この「伸びしろ」こそが、将来的な資産価値の上昇を期待できる要素なのです。
実は、本当の「高値掴み」とは、「高い時期に買うこと」ではありません。
それは、資産性の低い物件を買ってしまうことです。
駅徒歩10分以内、適切に管理され、修繕積立金の積み立て状況も良好、南向きまたは角部屋、築20年以内または大規模修繕が適切に実施されている、周辺に開発計画や開発余地がある。このような資産性の高い物件は、たとえ今の価格が高く感じられても、長期的には価値を保ちます。
そして重要なのは、このような物件は市場に出たら、数週間以内に売れてしまうという現実です。
「今が高値では?」と様子を見ている間に、本当に資産性の高い物件は他の人の手に渡っていきます。そして残った物件の中から選ばざるを得なくなる。これこそが、「高値掴みを避けよう」とした結果の、皮肉な結末なのです。

東京・深川
「損をしない」ための正しい準備
「高値掴みを避ける」ために本当に必要なのは、「完璧なタイミングを待つ」ことではなく、「資産性の高い物件を見極める力」と「適切に判断できる準備」を整えることです。
まず資金計画の明確化。自分たちの年収、貯蓄、将来のライフプランを踏まえて、無理のない借入額を事前に把握しておきましょう。ここで重要なのは、デフレ脳的な「借金はできるだけ少なく」という発想ではなく、「適正な借入額で、資産性の高い物件を購入する」という視点です。
次に住宅ローンの事前審査。いざ良い物件が見つかったときに、「ローンが通るかどうか分からない」では遅すぎます。事前審査を受けておくことで、自分の借入可能額が明確になり、判断スピードが上がります。資産性の高い物件は早く売れます。事前審査があれば、他の購入検討者より一歩リードできます。
そして最も重要なのが、資産性を見極める基準の習得です。立地、エリアの将来性、管理状況、需要の継続性。これらの基準を持っていれば、「今が高値では?」という不安ではなく、「この物件の資産性は高いか?」という本質的な判断ができるようになります。
信頼できる不動産会社との関係構築も不可欠です。私たちトラストリーのような「正直な不動産会社」とは、「今買うべきです」と煽るのではなく、経済環境の変化、エリアの将来性、資産性の見極め方を正直に説明し、お客様が適切な判断をできるようサポートする会社です。
そして、実際に物件を見る経験を積むこと。興味のある物件は積極的に内覧してみましょう。実物を見る経験を積むことで、相場観と資産性を見極める目が養われます。
まとめ バブルもリーマンショックも震災も見てきたものからのメッセージ
私は、バブルの狂騒も、その崩壊の悲劇も、リーマンショックの混乱も、東日本大震災の衝撃も、すべて経験してきました。不動産市場の浮き沈みを、長年にわたって見てきた会社として、今購入を検討されている皆さんに伝えたいことがあります。
「今が高値なのでは?」という不安は、とてもよく分かります。特に40代以上の方は、30年間のデフレ経験が染み付いています。「様子を見れば安くなる」「損をしないことが一番大切」という感覚を持つのは当然です。ご両親からもそう教わってきたはずです。
しかし、時代は変わりました。国の政策は物価上昇・賃金上昇を目指し、それに応じて金利も正常化していく方向にあります。お金の価値は時間とともに目減りし、都内の中古マンション価格は構造的な要因で上昇し続けています。
「高値掴みを避けよう」として様子を見ている間に、本当に資産性の高い物件は売れていき、価格はさらに上がり、金利も上がっていく。結果的に、より高い買い物をすることになる。これがインフレ時代における「完璧なタイミングを待つ」ことのリスクです。
大切なのは、「いつ買うか」のタイミングを計ることではなく、「何を買うか」、つまり資産性の高い物件を見極める力を持つことです。そして、良い物件が現れたときに適切に判断できる準備を早めに整えることです。
私たちトラストリーは、お客様に対して正直であることを何よりも大切にしています。バブル崩壊で苦しむ人たちを数多く見てきました。だからこそ、「今すぐ買うべきです」と煽ることは絶対にしません。
しかし同時に、デフレ時代の常識に縛られて機会を逃し続けることも避けたい。「高値掴みへの恐怖」が、結果的により大きな損失を招くことを、私たちは経験から知っているのです。
もし、今回の記事を読んで「自分の判断は本当に正しいのか」「資産性の見極め方を学びたい」「深川エリアの将来性について詳しく知りたい」と感じられたなら、ぜひ一度、無料相談にお越しください。
長年の経験を持つ私たちが、資金計画の立て方、深川エリアの相場観と将来性、資産性の見極め方、インフレ時代の住宅ローンの考え方、そして今のあなたにとって本当に「様子を見るべきか、動くべきか」を、正直にお伝えします。
人生100年時代、40代で購入すれば60年近くを過ごす可能性のある「住まい」。その判断を、デフレ時代の常識だけに委ねてしまうのは、あまりにももったいない。
新しい時代に合った、賢い判断をするために。バブルもリーマンも震災も乗り越えてきた私たちが、あなたの良きパートナーでありたいと考えています。
【著者プロフィール】柴田光治
宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴40年超。大手不動産会社在籍中に役員として、主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後数社の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
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