人生100年時代が現実に
日本の平均寿命は、これまでの歴史の中で大きく伸び続けています。厚生労働省が公表した「令和5年簡易生命表」によると、日本人男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.14歳と、男女とも全年齢で前年を上回っている。
国際的に見ても日本の長寿水準はトップクラスであり、この先も医療技術の進化によってさらなる延びが期待されています。長生きできることは喜ばしい反面、長期にわたる生活設計や資産管理の重要性も高まっています。
現在60歳の人の約4分の1が95歳まで生きるといった試算もあるほどです。長い人生をどのように設計し、どのように経済的に支えていくのかという課題が浮上してきます。特に、住まいに関する選択は老後の生活に大きく影響を及ぼします。賃貸暮らしを続けるのか、持ち家を購入するのか、どちらが安心できる選択なのでしょうか?
老後の不安と資産形成の必要性
「老後資金2,000万円問題」としても話題になったように、年金だけでは十分な生活費をまかなえないことは、すでに国の試算でも明らかになっています。金融庁の「高齢社会における資産形成・管理」に関する報告書では、現役世代が資産形成を怠れば、老後に経済的困難に直面する可能性が高いことを指摘しています。
報告書の中では、家計調査データを基に「年金生活者世帯では毎月の生活費が年金収入だけでは足りず、約5万円の赤字が発生している」との記述があります。仮にこの赤字が30年間続けば、合計で約2,000万円の資金が不足する計算になります。
かつては、企業の退職金制度や公的年金の支給水準が比較的手厚く、老後の生活資金を確保しやすい環境がありました。しかし、現在では退職金の減少や年金支給年齢の引き上げが進み、今後も公的年金の支給額が減少していくことが懸念されています。このような背景のもと、自らの資産を形成し、老後に備えることが不可欠となっているのです。
年金があてにできない時代に、家賃という固定費は重荷に
「賃貸暮らしは気軽で身軽な選択」と考える人は少なくありません。特に若いうちは、転勤やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる点が魅力とされています。しかし、人生100年時代を見据えたとき、一生賃貸でいることが本当に気楽な選択なのかどうかは、慎重に考えるべきでしょう。
例えば、若いうちは問題なく賃貸契約を結べても、高齢になると貸主から敬遠されるケースが増えます。賃貸市場では、高齢者の入居審査が厳しくなる傾向があり、「保証人の確保」や「年齢を理由に入居を断られる」といった問題に直面することも少なくありません。さらに、高齢になると引っ越しそのものが体力的にも経済的にも大きな負担となります。
また、賃貸住宅に住み続ける場合、家賃は一生支払い続けなければなりません。現役時代は収入があるため問題ありませんが、定年後は主に年金収入で生活することになります。仮に家賃10万円の賃貸に30年住み続けると総額4,000万円以上の支出になることも(更新料や家賃上昇率を考慮)。 貯蓄が十分にない場合、この固定費の負担が老後の生活を圧迫する可能性があります。
持ち家のリスクとメリット
持ち家には、住宅ローンの支払い、固定資産税、修繕費などのコストがかかります。そのため、購入に慎重になる人も多いですが、賃貸にはないメリットも数多く存在します。
持ち家のメリット
- 資産としての価値:住宅ローンを完済すれば、家賃の支払いが不要になり、老後の住居費負担を軽減できる。
- 団体信用生命保険の活用:住宅ローンには団体信用生命保険(団信)が付帯することが多く、万が一の際に家族に資産を残すことができる。
- 老後の資金調達手段:リバースモーゲージやリースバックを活用し、住みながら資産価値を活用することが可能。
- 住み続ける安心感:賃貸のように「退去を求められるリスク」がなく、安心して住み続けられる。
持ち家のリスク
- 住宅ローンの負担:計画的な返済が必要だが、資産となる点は賃貸より有利。
- 維持費の発生:固定資産税や修繕費はかかるが、リフォームなどで資産価値を向上させることも可能。
- 市場価値の変動:立地や物件選び次第で資産価値の減少リスクもあるが、選定次第で回避可能。
どちらを選ぶにせよ、計画的な準備が必要
「賃貸か持ち家か」というテーマは長年にわたり議論され続けていますが、重要なのは単純にどちらが得かを考えるのではなく、自分のライフプランや老後のビジョンに合わせて慎重に選択することです。
住まいの選択に迷ったら、「豊かな暮らしをデザインする」リフォーム不動産へご相談ください。
「賃貸か持ち家か悩んでいる」「老後に備えた住まいの選び方を知りたい」 という方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
✅ あなたのライフプランに合う住まいの選択肢をご提案
✅ 住宅ローンや資産運用の相談もOK!
✅ 中古マンション+リノベの成功事例をご紹介
詳しくは 無料相談ページ からお問い合わせください。
結論を先延ばしすることこそが、最大のリスクになるかもしれません。
【著者】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio 代表|深川くらし相談所 所長
宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴38年以上。一部上場不動産会社在籍中に役員として売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。50代で今の会社を立ち上げ、地域密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。自らも築20年の自宅マンションをリノベーションした経験を持つ。
コメント