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コラム

「招かざる客」の正体——なぜ業界は変わらないのか。 囲い込みの真実と、正直な業者の見分け方|対策編

第1話では「両手主義の大手にとって、他社仲介は招かざる客」という現実をお伝えしました。

▶第1話:映画『正直不動産』はスクリーンの中だけ?深川の現場で見た「令和のFAX大作戦」と、売主様が知らない驚きの機会損失|問題提起編

今回はその構造がなぜ生まれるのか、そして売主様がどう身を守るかを、編集部なりに正直にお伝えして完結とします。

嘘をついていなくても、
真実が届かない仕組みがある。

昔より「巧妙」になっている、という厄介な現実

かつての囲い込みは、もっと露骨でした。レインズへの登録を意図的に遅らせる、「すでに商談中です」と嘘をつく。

そうした手口は、取り締まりが進んだことであからさまには行われにくくなっています。

しかし、だからこそ今が厄介です。嘘をついていない。ルールも破っていない。それでも結果として、買主様が物件にたどり着けない。

⚠️ 「グレーな壁」の実態——違反とは言えないけれど

「担当者しか対応できないので、折り返します」→ 折り返しが来ない

「売主様のご意向で、週末の案内はお断りしています」→ 確認のしようがない

「内覧後に詳細なフィードバックシートの提出が必要です」→ 手続きで熱を冷ます

「担当者が休みで、いつ出社できるか分かりません」→ 第1話の、あの場面

(編集部の心の声:どれも「仕方のない理由」に見える。でも積み重なると、招かざる客は帰っていく)

これは「個人の問題」ではなく、「組織の体質」の問題

第1話の担当者が、特別に意地悪な人間だったとは思いません。忙しく、制度の中で精一杯動いていたのでしょう。問題は、担当者ではなく組織の評価基準にあります。

担当者が不在もしくは休みなら物件の動きも止まる。他社からの買主様より自社の買主様を優先する。そういう構造を「仕方ない」として運営している組織や国交省の問題です。

編集部が感じた、業界を超えた「体質」の問題

少し前に社会問題となった大手保険会社の不正販売問題。現場の担当者が顧客より会社の利益を優先し続けた背景には「個人の悪意」ではなく、利益至上主義の組織文化と、それを強制する評価制度がありました。

大手か中小かという規模の問題ではありません。「顧客より自社の利益」を優先する体質は、業界を問わず生まれます。だからこそ「誰に頼むか」も大事だが「どんな体質の業者を選ぶか」が、売主様の資産を守る最大の防衛策になるのです。

編集部のひとこと

国土交通省には、きちんと指導していただきたい。

囲い込みへの対策は強化されてきました。レインズへの登録義務、報告義務——制度は整いつつある。でも現場の「グレーな壁」は、制度の網をかいくぐる形で巧妙になっています。

結局のところ、業界の自浄作用に期待するには限界があるのかもしれません。残念ながらペナルティが厳しくならなければ、体質は変わらない。そう感じざるを得ない現場を、私たちは取材で何度も目にしてきました。

消費者である売主様・買主様の利益を、誰が守るのか。それを問い続けることが、私たちのようなメディアの役割だと考えています。

「手数料タダ」の、甘い罠

「売主様の仲介手数料を●●に値引きします!」という広告をよく見かけます。一見お得に見えますが、不動産業者はボランティアではありません。売主側からの手数料が安いなら、どこで利益を出すのか。答えは「買主側からもいただく両手取引」しかありません。

⚠️ 「手数料値引き」で起きること

「手数料値引き」をうたう業者ほど、自社で買主を囲い込もうとするインセンティブが強くなります。「手数料が安くなった数十万円」と引き換えに、「囲い込みによる数百万円の機会損失」が生まれる可能性があります。招かざる客を増やす構造を、自ら選んでいることになりかねません。

魔法は起きない。だから「体質」で選ぶ。

編集部がすすめる、こんな業者・担当者を選んでください

映画の主人公は呪いで正直になりました。現実では、そんな魔法は起きません。だからこそ最初から「正直な体質」の業者を選ぶことが大切です。取材を重ねた編集部の視点から、3つのポイントをお伝えします。

① メリットだけでなく、デメリットも正直に伝えてくれる

「この物件、管理費が高めです」「日当たりが思ったより弱いです」——こういうことを自分から言える担当者は、長期的にあなたの味方です。逆にメリットばかり並べて「早く決断を」と急かしてくる業者は、自社の利益を優先している可能性が高い。査定でも「なぜその価格では難しいか」を丁寧に説明してくれる業者ほど信頼に値します。

🎬 映画の主人公は、呪いがなければこれができませんでした。現実で自然にできる担当者は、貴重です。
② 家族や友人に接するように、親身に動いてくれる

こちらの話をきちんと聞いているか。連絡のレスポンスは誠実か。「担当者が不在のため分かりません」で終わらせない組織か。数字や契約の話より先に、あなたの状況や希望を丁寧に聞いてくれる担当者を選んでください。最初の面談で、ほぼ分かります。

🎬 映画の主人公が人気なのは正直だからだけでなく、根っこにお客様への誠実さがあるから。それは呪いではなく、人間性の問題です。
③ 小さくても、地元に根を張っている業者と付き合う

地元に根を張る業者には「評判」という強力なインセンティブがあります。悪い仕事をすれば、すぐに地域で噂が立つ。このエリアの路地の一本一本を知り、地域のお客様と長く付き合い続ける業者にとって、招かざる客など存在しません。小さい組織なので情報共有もされています。他社の買主様が来れば、喜んで迎えます。それが売主様にとって一番の利益だと、体で知っているから。

🎬 地元の看板は、何よりも強い正直担保です。

大切な資産を預ける相手は、
会社の規模より、人間の体質で選んでください。

この2話で編集部が伝えたかったこと

囲い込みは「あからさまな悪」から「気づきにくいグレー」へと進化している

両手主義の大手や歩合色の強い会社にとって、他社仲介は招かざる客——これが構造の正体

映画では呪いが正直を生んだ。現実では、体質と評判が正直を生む

「私の物件、ちゃんと動いてる?」と思ったら——まず疑うことが、最初の防衛策です。

深川くらし編集部より
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