自身のライフスタイルやライフステージに合わせた住まい方として、「リノベーション」を活用したいという方が増加しています。
働き方改革・コロナ禍・不動産価格の高騰、背景にはさまざまな要因が考えられますが、従来の画一的な間取り・設備の住まいではなく、ご自身に合った世界に一つだけの住まい探しというニーズが高まっています。
しかし、初めて購入される方にとっては不動産を購入するだけでも大きなハードルになりますが、購入した物件にリノベーションをさらに施すとなると、物件探しから設計・施工、ローンに至るまでハードルの高さは2倍になると言っても決して言い過ぎではありません。
この連載シリーズ記事では、中古マンションを購入してリノベーションをしたいと考えている方向けに、そのプロセスや方法についてポイントを絞って解説していきます。
順を追って解説していきますので、ぜひ一話から最終話まで読み進めていただき、中古マンション購入+リノベーションについて理解を深めていただければと思います。
目次
【1】リノベーションとは何か?
リノベーションとは、既存建物の基礎・躯体はそのままに、内部をスケルトンにして工事を施し、性能・価値の向上を図ることです。
「リフォームとは何が違うの?」といった質問をいただくことがありますが、リフォームは劣化した設備・仕様の修繕といった比較的小規模な工事を指します。
クロス・床の張り替えはリフォーム、間取り変更・増改築はリノベーションと考えていただくと理解しやすいでしょう。
【2】中古マンションリノベのメリット
中古マンションリノベーションのメリットはさまざまですが、その中でも特に重要なポイントは以下の二点です。
(1)設計の自由度が高い
リノベーションは住まう方のライフスタイルに合わせて最適な住まいを実現することができます。
例えば、3LDKの物件の壁を取り払って1LDKにし、間仕切りのない広々としたリビングダイニングにする、パントリーやウォークインクローゼットなどの収納を重視するといった大胆な転用が可能です。
当社のリノベーション事例をご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。
【インタビュー】Pinterestで集めたイメージから理想の家を実現!清澄白河で中古リノベーションを決めた理由は「街の変化」にあった?
【リアル体験記】清澄白河で中古マンションを購入、リノベーション、実際に暮らすまで。(リノベーション編)
(2)物件の選択肢が増える
マンション購入を検討する際、江東区のマンションをインターネットで検索してその販売価格に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
都心に近づけば近づくほど、ここ数年のマンション価格は高騰している状況にあり、一般的なサラリーマンでは手が出せない金額となっています。
中古マンションは新築マンションよりも比較的リーズナブルな価格で購入ができる(最近は中古マンション価格も高騰気味ですが…)ことに加えて、新築よりも物件数が多いため選択肢が多いことが特徴です。
当社商圏の江東区深川といった新築物件を見つけることが難しいエリアであっても、中古マンションであれば条件に合った物件を見つけられる可能性が高まります。
【3】中古マンションリノベの注意点
何かとメリットの多い中古マンションリノベーションですが、検討される場合は以下の点にご留意いただく必要があります。
(1)築年数と建物の耐久性
築年数の経過した物件は、建物の耐久性に懸念がある場合があります。昭和56年(1981年)以前に建築確認済証が交付されている物件は、旧耐震基準で建築された物件となります。
旧耐震基準は震度5強程度の揺れでも倒壊しないとされているのに対し、新耐震では震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないとされています。
関連コンテンツ→「マンションの耐用年数は何年?寿命が来たらどうなる?」
また、旧耐震のマンションは築年数が経過しているため住宅ローン控除やすまい給付金を利用できない点にも注意が必要です。
首都圏では30年以内に70〜80%の確率で大規模地震が発生すると言われていますので、安心安全に長く暮らせる住まいを選ぶことをおすすめします。
(2)不動産価格の高騰
昨今の不動産価格の高騰でお客様のご予算とニーズの乖離が拡がってきています。
中古マンションリノベーションは自由度が高いため、希望されるお客様はこだわりが強い多い傾向にあり、この乖離に対してなかなか妥協できないケースが多いと感じています。
駅徒歩分数(距離)・周辺環境・間取り・設備にさまざまなこだわりがあるかと思いますが、数多くのお客様・物件に接してきた立場で申し上げると、限られたご予算の中でそれらをすべて満たすことは至難の業と言わざるをえません。
お客様のライフスタイルと今後のライフプランニングを考えた上で、まずは絶対に譲れない住まいの条件を順位付けしておくことが重要になります。
【4】まとめ
ここまで、初めての中古マンション購入・リノベを失敗しないためのポイントとして、中古マンションを購入してリノベーションを行う際のプロセスや方法について解説してきました。
ポイントになるのは、お客様ご自身のライフスタイル・今後のプランニングについて想像を膨らませていただき、その中で大事にしたいことや実現したいことなどを整理し、優先順位を付けていくことです。
当社ではお客様に無理に物件をおすすめすることはしておらず、まずはお客様の実現したい暮らし・住まいをお伺いし、それに最適な物件とリノベーションをご提案する方法を採用しています。
人生最大の買い物となるであろう住宅購入。購入までの全てのプロセスがお客様にとって一生に一度の貴重な体験だと考え、そこで生まれる「ワクワク」感を『人生の・ふたりの・家族の想い出』となるよう全力でサポートいたします。
ぜひ、お気軽にご相談ください!
続けて、初めての中古マンション購入・リノベを失敗しないためのポイント第二話「資金計画」を読む
【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。