中古マンションの内見では、売主が居住中のケースもあり、新築マンションのモデルルームのようにじっくり時間をかけることが難しいことがあります。そのため、限られた時間内で重要なポイントを的確にチェックすることが求められます。
本記事では、中古マンションの内見時に押さえておくべきチェックポイントについて解説します。
1. 第五話の振り返り
前回の第五話「不動産会社活用術」では、不動産会社をどのように活用するかについて解説しました。
✅ 信頼できる「エージェント型」の不動産会社を選ぶ
✅ 売り手・買い手双方の立場を理解し、バランスの取れた判断をする
✅ セカンドオピニオンを活用し、慎重に判断する
また、中古マンションの購入を検討する際には、リフォームの必要性や予算についても考慮することが重要です。リフォームに知見のある担当者がいれば、購入後の計画をスムーズに進めることができます。不動産会社を選ぶ際は、リフォームの提案力があるかどうかもチェックポイントの一つとして考えましょう。
2. 内見前の準備:チェックリストを作成する
効率的な内見を行うために、事前にチェックリストを作成しておくことをおすすめします。売主が居住している物件では再訪問が難しい場合もあるため、一回の内見でしっかり確認できるようにしましょう。
チェックリストの作成ポイント
✅ 希望条件の整理(広さ、部屋数、予算など)
✅ 搬入予定の家具・家電のサイズ確認(玄関や部屋の間口)
✅ 周辺環境のチェック(スーパーや交通状況、治安)
✅ 近隣住民の様子(生活音や住民層)
✅ 教育環境の確認(学区や保育園の待機児童状況)
✅ リフォームの必要性(築年数、設備の劣化具合、修繕履歴)
このような項目を事前にリストアップし、不動産会社と相談しながら優先順位を決めておくのも有効です。
3. 内見時の確認ポイント
建物の外観・共用部分
✅ 建物の老朽化状況(外壁のひび割れや錆など)
✅ 管理体制の確認(清掃状況、掲示板の更新頻度)
✅ エントランスや駐車場の雰囲気(防犯対策、ゴミ置き場の管理状況)
室内のチェックポイント
✅ 室内の傷み具合(床や壁の汚れ、天井のシミなど)
✅ 日当たりと通風(窓の方角、風通しの良さ)
✅ 水回り設備の状態(キッチン・浴室・トイレの劣化状況)
✅ 収納スペースの広さ(クローゼットや押入れの有無)
✅ 騒音レベル(窓を開けた際の外の騒音、隣室の音の聞こえ方)
✅ リフォームの可能性(間取り変更のしやすさ、設備の交換余地)
5. 内見時の記録方法
複数の物件を見学する場合、それぞれの特徴を後で思い出しやすくするために、写真やメモを活用しましょう。
✅ 建物の外観・共用部の写真撮影
✅ 各部屋の特徴をメモに残す(日当たりや風通しの感想)
✅ 気になる箇所を重点的に記録(設備の不具合や壁の傷)
✅ リフォームの検討点をメモする(変更可能な間取り、配管の状態)
6. まとめ(シリーズ最終回)
本シリーズ「初めての中古マンション購入・リノベを失敗しないためのポイント」は今回で最終回となります。
✅ チェックリストを作成し、事前に希望条件を整理する
✅ 建物の外観や共用部分、室内の状態をしっかり確認する
✅ 事前のリサーチを活用し、当日はスムーズに内見を進める
✅ 記録を残し、複数物件を比較しやすくする
✅ リフォームの必要性を検討し、購入後の計画を立てる
「深川くらし」を運営するリフォーム不動産深川studioでは、こうした内見時のポイントを詳しく解説するセミナーや個別相談を実施しています。物件購入前に不安を解消し、納得のいく選択をするために、ぜひご活用ください。
これまで本シリーズをお読みいただきありがとうございました。今後も「深川くらし」では中古マンション購入・リノベーションに役立つ情報を発信していきます。引き続き、皆さまの理想の住まい探しをサポートしてまいります!
【著者プロフィール】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴38年。大手不動産会社の役員として主に売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
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