中古マンションの内見は、さまざまなケースがありますが、実際に居住中の住まいを見学させてもらうこともあります。
売主さまが居住中の中古マンションは、新築マンションのモデルルームを見学するようにゆっくり・じっくりというわけにはいきませんので、限られた時間でポイントを絞って確認することが重要になります。
そこで、今回の記事では、中古マンションを見学する際のポイントについて解説していきたいと思います。
「初めての中古マンション購入・リノベを失敗しないためのポイント」シリーズは一話から順を追って解説していますので、ぜひ一話から読み進めていただき、理解を深めていただければと思います。
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【1】<準備>内見チェックリストの作成
限られた時間で効率よく見学を進めるために、建物の外観・室内でチェックすべきポイントに関するチェックリストを事前に作成しておくと良いでしょう。
売主さまが居住している物件の場合、「見落としたのでもう一回」というわけにはなかなかいきません。
事前に希望条件をリストアップしておき、リスト作成を通じて当日何をチェックすべきかを整理しておくようにしましょう。
チェックリスト作成のポイント
お客さまの希望条件によって詳細は異なりますが、ここでは最低限整理しておきたいチェックリスト作成のポイントについてご紹介します。
・広さ(全体・各居室でどれくらいの広さが必要か)
・部屋数(必要な部屋数)
・予算(上限金額)
・持ち込む家具家電のサイズ(玄関・各居室の間口の確認)
希望条件をまとめた後は、確認したい事項をリスト化しましょう。
・日常の買い物場所(スーパー/ドラッグストアなど)
・周辺の交通事情(交通量の多少/渋滞状況)
・近隣住民(普段の近所付き合いについて/どんな方が居住しているか)
・教育環境(近隣保育園の待機児童の状況/学区)
内見のチェックポイントは、不動産会社の担当者とやりとりしながら絞り込んでいくのも一つの方法だと思います。
入居中物件を見学する場合の注意点
内見する物件に居住者の方がいる場合は、お住まいの方に暮らし・生活感について話を聞くことができる貴重な機会となります。
ただし、質問をする際は、最低限のマナーを守って行うことが重要です。
売主さまの中には、「せっかくなら良い人に売却したい」と考える人もいますので、心象次第で購入可否が変わってしまう可能性がありますので注意しましょう。
【2】<準備>Googleストリートビューで事前見学
一日に複数の物件を見学する場合などは特にそうですが、移動と見学の繰り返しで疲れてしまい、後半は集中力を欠いてしまうといったこともしばしば起こります。
体力も時間も限られた中で効率的に内見を進めていただくために、Googleストリートビューを活用することも一つの方法です。
ご存知の方も多いと思いますが、Googleストリートビューは世界中の道路沿いの風景をパノラマ写真で提供するインターネットサービスです。
インターネット上で日本国内のほとんどの道路の様子を確認することができるため、物件の周辺や駅徒歩・駅周辺などを事前に確認することができます。
最終的に歩いてチェックすることは欠かせませんが、まずはweb上で下見をし、そこで気になった箇所は現地で目視で確認していくと、効率よく内見を進めることができるでしょう。
【3】<見学中>写真を撮る
一日に複数の物件を見学すると、そのひとつひとつの詳細はどうしても忘れてしまうものです。
帰宅して複数の物件を反芻しながら比較検討していると、「一件目はどんな物件だったかな?」というように物件の詳細を思い出せないといったことも起こります。
見学した中古マンションで、気になった箇所は写真を撮り、メモを添えてまとめておくと、後日振り返る際に情報を思い出しやすくなります。
内見チェックリストと画像・メモを突き合わせながら、ご予算の中で希望条件をどのように満たしていくかを決めていくと良いでしょう。
撮影箇所のリスト
・建物外観/共用部
・室内各居室(リビング/各居室/キッチン全体/洗面・浴室/トイレ/玄関など)
・設備(ガスコンロ/冷蔵庫置場/洗面台/洗濯機置場など)
・眺望
・その他(必要に応じて)
【4】まとめ
今回は、限られた時間でポイントを絞って中古マンションを見学し、見学後の比較検討を効率的に行うためのポイントについてご紹介いたしました。
ただし、今回ご紹介した内容は中古マンションを見学する際のポイント概要に過ぎません。
例えば、物件の周辺・共用部・専有部など、それぞれチェックしておくべきポイントは細かく分かれます。
これらは、お客さまのニーズによってそれぞれ異なりますので、中古マンション内見時のポイントは「お客さまの数だけある」と言っても決して過言ではありません。
当社では、多様なお客さまのニーズを正確に把握することを重視しており、お問い合わせ・ご来店いただいたお客さまのお話をまずじっくり伺うことから始めさせていただいています。
お客さまのご要望を把握した上で、ご希望があれば物件をご紹介させていただく形を採っています。
まずは、定期的に開催しているセミナー・相談会にご参加いただき、住まいの希望や暮らしの課題について、お気軽にご相談ください!
【著者プロフィール】柴田 光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に役員として主に売買事業を統括し、主に不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。
https://note.com/k_shibata