「せっかく理想の物件を見つけたのに、リフォームで後悔している」
この一年。こんな相談が増えてきています。問題は物件そのものではありません。購入とリフォームを別々に考えてしまったことです。
実は今、住宅市場は大きな転換期を迎えています。新築偏重だった日本でも、欧米のように中古住宅を買ってリフォームするスタイルが主流になりつつあります。2023年には中古住宅流通シェアが過去最高を記録し、この流れは今後さらに加速すると予測されています。
つまり、これからの住宅購入では「物件選び」と「リフォーム」をセットで考えることが、もはや常識になっていくのです。
ただし、中古マンションの場合、実際に内覧してみないとリフォームの必要度は分かりません。築年数が同じでも、前オーナーの使い方次第で状態は千差万別。ある物件は壁紙交換だけで済むかもしれないし、別の物件は水回り全交換が必要かもしれない。
だからこそ重要なのが、内覧の段階で「この物件ならどんなリフォームが必要か」を即座に判断してくれるパートナーです。
もし物件探しとリフォームを別々の会社に頼んでいたら、どうなるでしょうか?
なぜ「リフォーム難民」が生まれるのか
大手仲介会社の強みは、豊富な物件情報と確実な契約プロセスです。これは間違いなく大きな価値があります。ただし、不動産仲介とリフォームは、実はまったく異なる専門領域。それぞれに特化した会社があるのは、むしろ自然なことなのです。
問題は、物件の状態を見てもリフォームの必要度が判断できないことです。
内覧で「素敵な物件だな」と思っても、
- 給排水管の状態は大丈夫?
- 壁紙を替えるだけで済む?それとも下地から?
- キッチンは交換が必要?まだ使える?
- 結局、総額でいくらかかる?
こうした判断ができないまま契約してしまうと、契約から引き渡しまでの1〜1.5ヶ月で地獄のスケジュールが始まります。
この短期間に:
- リフォーム会社を探して複数社に現地調査を依頼
- それぞれと打ち合わせ、見積もりを比較
- プランを確定し、銀行に提出してローン組み込み手続き
これらをすべて完了させなければなりません。
多くの方が「契約後にゆっくり考えよう」と思われますが、ここに2つの大きな落とし穴があります。
落とし穴①:住宅ローンへの組み込みタイムリミット
低金利の住宅ローンにリフォーム費用を組み込むには、引き渡し前に予算感を確定させる必要があります。タイミングを逃すと、数百万円を別途借り入れるか、現金で用意することに。
落とし穴②:二重払いの期間が長期化
さらに見落とされがちなのが、住宅ローンと現在の家賃の二重払い期間です。リフォームの打ち合わせが長引けば長引くほど、この二重払いの期間も延びていきます。リフォーム工事完了後までは、月15万円の家賃を払いながら、月10万円のローン返済と管理費、修繕積立金の支払いも始まることになり、月25万円以上の住居費が、場合によっては数ヶ月続くことになるのです。
契約前にある程度のリフォームプランが固まっていれば、引き渡しと同時に工事開始。最短で新生活をスタートできます。
ある30代夫婦のケース
Aさん夫婦は、都内の築40年マンションを大手不動産会社の仲介で購入しました。内覧時は「リフォームが必要そうだな」とは思ったものの、具体的にどの程度必要かは分からず、「まあ契約後に専門家に見てもらえばいいか」と判断を先送りにしていたそうです。
契約後、提携リフォーム会社に現地調査を依頼すると、想定外の問題が次々と発覚。給排水管の劣化、床の傾き、壁の亀裂やアスベストの問題など、見た目では分からなかった部分に予想以上の費用がかかることが判明しました。
提示された見積もりは、当初の予算を200万円以上オーバー。しかし決済まで3週間しかなく、複数社を比較検討する余裕もありません。結局、当初やりたかったキッチンのグレードアップやデザイン面を諦め、「最低限の表層リフォーム」だけで妥協することに。
さらに、リフォーム会社との調整も難航し、管理組合への工事申請や隣接住戸の承諾なども時間を取られ、引き渡しから工事完了、入居まで5ヶ月。家賃とローンの二重払い時期が続き、余分な出費が嵩んでしまいました。
「内覧の時点で、リフォームのプロに同行してもらって状態を見てもらうべきだった」──Aさんの後悔の言葉です。

よくある誤解:「提携先があれば大丈夫」?
「提携リフォーム会社を紹介してもらえるなら安心では?」と思われるかもしれません。確かに、紹介制度自体は便利です。ただし、ここにも理解しておくべきポイントがあります。
ポイント①:分業制の限界
不動産仲介の営業担当者は、物件紹介と契約のプロフェッショナルです。一方、リフォームはまた別の専門知識が必要な領域。そのため、多くの場合「提携先の連絡先をお渡しして、あとは直接やり取りを」というスタイルになります。お客様自身でスケジュール管理や調整をする必要が出てきます。
平日は仕事終わりに図面と格闘。土日はリフォーム会社との打ち合わせやショールーム巡り。銀行とのやり取りも並行して進めるなど、想像以上に労力がかかるのが実情です。
ポイント②:「小規模リフォーム」への対応差
提携先として紹介されるのは、信頼性の高い大手リフォーム会社が中心です。フルリノベーションなど大規模工事には最適な選択肢でしょう。ただし、物件の状態によっては「壁紙だけ替えたい」「キッチンの色だけ変えたい」「収納棚を作りたい」といった部分的なリフォームで十分なケースもあります。こうした小規模案件の場合、対応の温度差を感じることも。物件に合わせた柔軟な選択肢が必要なのです。
ポイント③:「安さ」だけで選ぶリスク
契約後、時間に追われて複数社から見積もりを取ると、どうしても「一番安い会社」を選びたくなります。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
リノベーションは、解体してみて初めて分かる問題が多々あります。壁の中の配管の劣化、躯体のひび割れ、想定外の断熱材の状態など、見積もり段階では見えなかった部分です。
経験の浅い会社や、受注を急ぐあまり甘い見積もりを出す会社の場合、工事が始まってから「想定外の追加工事が必要です」と次々に追加費用を請求されるケースも。
結果的に、最初の見積もりより数百万円高くなることさえあります。
大切なのは、物件の状態を正確に見極める診断力と、想定外の事態にも対応できる経験値。単純な価格比較では見えない部分です。
リフォーム不動産 深川studioで購入するメリット
私たちは、物件仲介とリフォーム・リノベーションの両方を手がける「ワンストップ型」の不動産会社です。だからこそ提供できる価値があります。
メリット①:内覧時にリフォームの必要度と概算費用が分かる
これが最大の強みです。内覧に同行し、その場で物件の状態を診断します。
「この物件は状態が良いですね。壁紙交換とクリーニングで100万円程度で済みます」 「ここは給排水管の交換が必要です。水回り全体で400万円は見ておきましょう」 「配管は問題なし。好みでキッチンを交換するなら+150万円程度です」
契約前に、物件価格+リフォーム費用の総額が見える。これにより、予算内で無理なく進められるかを判断した上で購入できます。
もちろん、解体してみて初めて分かる問題もあります。だからこそ、長年の経験から「この築年数・この状態なら、こういう問題が潜んでいる可能性がある」と想定し、余裕を持った見積もりをお出しします。工事開始後の「想定外の追加費用」で慌てることを最小限に抑えます。
メリット②:物件の状態に合わせた最適プランを提案
同じ築40年でも、状態によって必要な工事はまったく異なります。私たちは物件ごとに「本当に必要な工事」と「好みでやりたい工事」を切り分けてご提案します。
状態が良い物件なら、無駄な工事を省いて予算を立地や広さに回せます。状態が厳しい物件でも、優先順位をつけて段階的にリフォームする選択肢もご提案できます。
メリット③:住宅ローン組み込みも、スケジュール管理もすべてお任せ
契約から引き渡しまでの短期間に必要な、銀行への見積書提出、工事スケジュール調整、各種手続きなど、すべて私たちが一括でサポートします。
あなたは「どんな暮らしにしたいか」を考えることに集中でき、二重払い期間を最小限に抑え、最短で理想の住まいへ。
そして何より、物件探しから工事完了まで一貫して関わるからこそ、工事中に想定外の問題が見つかっても、迅速に対応できる体制があります。別々の会社だと「それは聞いていない」「誰の責任か」で揉めることも、ワンストップなら責任の所在が明確です。
メリット④:人気エリアで良い物件を逃さない「即断力」
実は、中古マンション購入で最も見落とされがちな重要ポイントがあります。それは物件が消えるスピードです。
人気エリアや好条件の物件は、驚くほど早く決まります。週末に内覧して、月曜には別の申込が入る。都心部や人気の間取りでは、これが当たり前です。特に最近は中古住宅市場が活況で、良い物件の奪い合いが激化しています。
「この物件いいな」と思っても、多くの方がここで立ち止まります。
「リフォームにいくらかかるか分からない」 「総額が予算内に収まるか不安」 「一旦、リフォーム会社に相談してから決めたい」
その「ちょっと考えさせてください」の数日間で、物件は他の買い手のものになります。これが「リフォーム難民」になる、もうひとつの典型パターンです。
私たちなら、内覧時にその場でリフォーム費用の概算をお伝えできます。
「この物件、壁紙と設備交換で200万円程度です」 「給排水管の交換が必要なので、水回り込みで450万円は見ておきましょう」 「状態が良いですね。クリーニングと部分補修で100万円以内です」
物件価格4,500万円+リフォーム200万円=総額4,700万円。その場で判断できます。
契約から決済までの期間も大切ですが、それ以前に「良い物件を確実につかむ判断スピード」が、これからの中古マンション購入では最重要なのです。
人気エリアで理想の物件に出会えるチャンスは、そう何度もありません。そのチャンスを逃さないために、私たちは内覧の段階から伴走します。

物件購入は「箱」を買うだけではない
中古マンション購入とは、これから10年、20年と住み続ける”暮らし”を買うことです。欧米では当たり前の「中古を買ってリフォーム」というスタイルが、日本でもようやく主流になりつつあります。この変化の中で、「物件探し」と「住まいづくり」を一体で考えることは、もはや特別なことではなく、スタンダードな選択になっていくでしょう。
にもかかわらず、多くの方が両者を分断して考え、結果として2つの問題に直面します。
問題①:契約後の時間との戦い
契約から引き渡しまでの1〜2ヶ月で、リフォーム会社探し、見積もり比較、銀行手続きをすべて完了させなければならないケースも。さらに、リフォームの打ち合わせが長引けば住宅ローンと家賃の二重払いという金銭的負担も増大します。
問題②:契約前の判断スピード
人気エリアでは良い物件ほど早く売れる。リフォーム費用が分からず判断を保留している数日の間に、他の買い手に取られてしまう。理想の物件との出会いは一期一会です。
特に共働き世帯にとって、これらを自力で乗り切るのは現実的ではありません。私たちが見てきた「リフォーム難民」の大半は、時間的制約の中で妥協を強いられるか、そもそも理想の物件を逃してしまっているのです。
物件探しを依頼する際、次のような質問をしてみることをおすすめします:
- 「契約から引き渡しまで、リフォームの相談に乗っていただけますか?」
- 「部分的な補修から対応可能ですか?」
- 「住宅ローンへの組み込み手続きはサポートしていただけますか?」
ここでの回答内容が、あなたの状況に合った会社かどうかを判断する材料になります。物件情報の豊富さも大切ですが、購入後の暮らしまで見据えたサポート体制があるかどうか。両方を天秤にかけて、あなたのニーズに合った会社を選ぶことが重要です。
理想の物件に出会うことと、理想の暮らしを実現することは別問題です。
中古住宅流通が主流になるこれからの時代、「買った後」まで設計されたプロセスを選ぶこと。それが、時間もお金も無駄にしない、賢い中古マンション購入の第一歩です。
【お問い合わせ】 深川エリアでの住まい探し、リノベーション、ライフプラン相談は、お気軽にご相談ください。
📍 リフォーム不動産深川studio(株式会社トラストリー)
🌐 https://reform.trustory.jp/
📧 お問い合わせフォームはウェブサイトから
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この記事を書いた人
柴田 光治(しばた こうじ)
株式会社トラストリー 代表取締役|リフォーム不動産 深川studio 代表



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