コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由②「低金利と資産性」

前回の記事『コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由①「伸び悩むテレワーク導入率」』で、テレワークの普及によって郊外居住のニーズが高まったものの、ご自身やご家族それぞれのライフスタイルを考えた結果、都心に回帰する動きが出てきているということを解説しました。

今回も「コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由」について、前回のテレワークの普及という観点に加えて、「住宅ローンの低金利」「都心の資産性」といったポイントで解説します。

【1】月々の支払い負担が低金利によって軽減

住宅ローンの低金利は、コロナ禍以前からの傾向ではありますが、都心回帰の流れを後押しする要因の一つとなっています。

当社のお客さまにも初めて住宅を購入される一次取得者の方が多数いらっしゃいますが、そういったお客さまは、現在の賃料と月々の住宅ローンの支払いを比較して住宅購入をご決断されることが一般的です。

この支払額を比較検討するにあたって、住宅ローン金利が大きく影響します。例えば、4,000万円の中古マンションを頭金1,000万円で購入したケースの金利別総返済額を以下にまとめてみました。

金利 月々の返済額 総返済額
1.36%(※) 9 万円 3,773 万円
2% 10 万円 4,174 万円
3% 11.6 万円 4,850 万円

(独)住宅金融支援機構のフラット35ローンシミュレーター(https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html)で計算(元利均等返済、ボーナス割合0で計算)(※)フラット35全期間固定金利(2021年5月時点)

金利が上下することで、総返済額が大きく変動することがお分かりいただけるかと思います。2008〜09年頃にはフラット35の金利が3%超という時期もありましたので、金利差による総返済額に1,100万円程度の差があることになります。

月々の賃料と住宅ローンの支払額がほぼ変わらず、賃貸(1LDK)から持ち家(中古マンション、3LDK程度)に住める、ましてやリノベーションで新築同然となれば、一次取得者層が増加するのも自然なことと言えるでしょう。

【2】居住+投資を踏まえた「都心物件の資産性」を重視

中長期的な観点で「資産性の高さ」で都心物件を選んだという方も少なくありません。住まいを一生の大きな買い物と考えるよりも、欧米のように、ご自身・ご家族のライフステージに合わせて、その時々に最適な住まいに住み替えるという考え方が日本でも主流になってきています。

その場合、住まいを売却する際の価格や賃貸に出した場合の賃料を意識し、居住物件としてだけでなく、投資物件としての価値を追求するといった価値観が広まってきているように感じます。

郊外の物件は、都心の物件よりもリーズナブルな価格で購入することができ、自然環境の豊かさなど、短期的に見ると優位な面もあります。しかし、中長期的な資産性という観点で見ると、都心物件の方が圧倒的に優位と言えるでしょう。

(株)東京カンテイ「中古マンション70㎡換算価格」によれば、東京23区の中古マンションの平均価格は、2019年1月の5,457万円が20年1月には5,662万円、コロナ禍の2021年1月には6,041万円となるなど、この間ほぼ右肩上がりで上昇しています。

一部でコロナ禍で地価が下がっているといった報道もありましたが、こと都心の中古マンションについてはコロナ禍において価格が上昇しています。今後さらに人口減少が進むことも含めると、郊外よりも都心物件の方が資産性でますます優位になっていくのではないでしょうか。

※「資産性」については、以下の記事でも解説していますので併せてご覧ください!

>>>「中古マンション+リノベーション」で資産価値を維持するには?

>>>購入の決め手は”資産価値”。女性のマンション購入の特徴と傾向

【3】まとめ

ここまで、コロナ禍に都心居住を選択するお客さまの背景を「低金利」「資産性」といった観点から解説しました。

テレワークの実態に加えて、低金利や住宅ローン減税による費用負担の軽減、長期的に見た不動産の資産性などを重視して住まい探しをされる方が増加する傾向にあります。

当社のお客さまも「低金利」や「住宅ローン減税」の恩恵が大きいうちに「資産性」を重視して検討される方が増えています。当社主要商圏の東京都江東区深川エリアは、大手町(丸の内エリア)まで地下鉄で10分圏内と利便性が高く、かつ比較的リーズナブルな価格で中古マンションを購入することができることを評価していただいています。

お客さまの中には、最初から低金利や資産性を意識されている方もいますが、多くは「賃貸に住み続けるor購入物件に住み替えのどちらが得か?」「実際に借りられる住宅ローンの金額はどのくらいか?」「自分に合った物件探しのポイント」「リノベーションの進め方」といった悩みや不明点を解消すべく当社が開催しているセミナーや個別相談会にご参加いただき、それらを一つずつ解消しながら、ご自身に合った住まい探しを進められています。

結果的にはそれが住宅購入に向けての一番の近道だと思いますので、皆さんもお気軽にご相談下さい!

<セミナーのご案内>

>>>「家賃の支払いを資産に変える。」 購入を検討し始めの方向け無料相談会

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次回は、コロナ禍でも都心居住を検討されるお客さまが多い理由③「住環境の充実」について解説します。

【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表

宅地建物取引士、2級FP技能士、公認不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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